エイジレスの324回 神経回路を修復させる仕組みを解明
様々な脳脊髄(のうせきずい)疾患では脳や脊髄の神経回路が傷つきますが、傷ついた神経回路はしばしば自然に修復します。
神経回路の修復に関するこれまでの研究では、脳や脊髄の中の環境が重要と考えられいます。
脳脊髄の血管の構造は特殊で、血管の中の物質が脳脊髄の細胞に届きにくくできています。
そのため、脳脊髄の神経回路の修復研究では、脳脊髄の内部に存在する物質に注目が集まっていました。
今回のお話は、脳脊髄疾患になっても、神経回路を修復させる仕組みで、勝手に治る仕組みのお話です。
(難しいので、ポイントのみ記載しました)
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・膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモン様物質FGF21が、脳や脊髄の神経回路を修復させることを発見。
・脳脊髄の外部にある臓器から分泌される物質(タンパク質)が、脳や脊髄の神経回路修復に与える影響は、これまで明らかになっていなかった。
・FGF21による神経回路の修復促進が、多発性硬化症などの髄鞘の傷害が見られる疾患に対する治療につながると期待。
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多くの病気の治療方法は、人が本来備えている自己修復機能を高める方法が用いられています。
今回の脳疾患においても、神経回路を修復させる仕組みを利用して、治療しようとするものです。
ということで、やっぱり代謝の活性化が、健康的な生活を維持するうえで重要な要素だと、改めて気づかされます。