エイジレスの318回 悪性リンパ腫を引き起こす発がんメカニズムの発見
悪性リンパ腫は、リンパ球の悪性腫瘍(がん)であり、白血病などとともに血液のがんともいわれます。
悪性リンパ腫は、多数の亜型に分類され、予後や治療法も異なります。
したがって、どの亜型かを早期に診断することが、効果的な治療を施す上で重要です。
今回のお話は、治療が難しい悪性リンパ腫の発生メカニズムを発見したとのお話です。
(難しいので、ポイントにのみです。)
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研究成果のポイント
1. 悪性リンパ腫のうち、「濾胞性ヘルパーT 細胞の性質をもつリンパ腫」と分類される疾患において、VAV1遺伝子の異常な活性化が、発症に関わることを明らかにしました。
2. 既に他の血液がんに使われている薬によって、RHOA 変異体による VAV1 タンパク質活性化を抑えられることがわかりました。
3. これらの発見は、従来型の治療で根治が困難であった一部の悪性リンパ腫の治療開発につながると期待されます。
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リンパ球は、免疫機能の重要な一要素で、抗体(免疫グロブリン)などを使ってあらゆる異物に対して攻撃します。
特にウイルスなどの小さな異物や腫瘍細胞に対しては、顆粒球ではなくリンパ球が中心となって対応します。
リンパ球には、NK細胞、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)などの種類があります。
そんな、本来は、ガン細胞と戦うべきリンパが、ガン化してしまうわけですので、身体への影響ははかり知れません。
その上、治療が難しい、命に係わる病気なので、今回の研究成果が治療につながったら、多くの方に恩恵があるのだろうと思います。
研究が進むことを祈念するばかりです。