エイジレスの312回 魚も1匹では生きていけない
何を言いたいのか、イマイチ分かりにくいお話なので、読み飛ばしてもOKです。
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島嶼部周辺における海洋動物の分布は、陸生動物の個体群動態に影響を及ぼす過程とは異なる過程によって決まるという考えを示した論文が、今週掲載される。
これまで島嶼生物地理学(島嶼部における生物種の分布の時間的変化を調べる研究)の関心は、島嶼部に生息する陸生生物に集まっていたが、今回の研究において新たに行われた分析で、海洋群集における種の多様性に影響を及ぼす要因に光が当たった。
今回、Hudson Pinheiroたちの研究グループは、島嶼部の水生環境を形作るさまざまな過程を詳しく解明するためにブラジル沖の火山性海山列と島嶼部においてサンゴ礁魚類10種の進化史を調べた。
海水準変動は、海洋での種分化に影響を与えていたことが判明したが、同じことは陸生種にも見られた。
しかし、Pinheiroたちは、魚類は陸生生物よりも分散能力が高く、陸生生物と異なり、移住によってニッチの大半を占有して、生息地での多様化を防止していたことを指摘している。
そして、時間の経過とともに分散能力の低い生物種がランダムに蓄積すると海洋生物の種分化速度が上昇した。
従って、島嶼部の地理と地質史と海水準変動が海洋生物の多様化に及ぼす影響は、若干の類似性はあるものの、陸生生物に対する影響の仕方とは異なっている、とPinheiroたちは結論付けている。
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つまり、生息域の多様化が進むと、自分たちが住みにくくなるので、たくさんの仲間がいないと都合のいい環境はできないとのことです。
一般的に、様々な生物が共存する多様化は、自然を守るうえで大切なことと言われていますが、個々の生物にとっては、自分たちにとって都合のいいような環境を作ることが良いことのようです。
で、良い環境を作るためには、お魚1匹ではできないので、たくさんの仲間が必要とのことです。
当たり前と言えばそれまでですが、陸の動物では分かっていたものの、海の生物では分かってなかったということのようです。