エイジレスの308回 イヌのがん治療に有効な免疫

 

 

 ヒトと同様に高齢化の進むイヌにおいても,腫瘍に罹患する割合は近年増加傾向にあり,その治療法の研究・開発はよりよい獣医療の提供のために急務となっています。

 

 

 特に,従来の治療法である外科療法・放射線療法・化学療法では対処しきれない難治性の悪性腫瘍に対しては,新たな治療戦略が望まれています。

 

 ということで、イヌにも免疫療法が適用され始めているようです。

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研究成果の概要


 イヌの死因の約 3 割は悪性腫瘍(がん)であるとされており,特に高齢犬ではその傾向が高いと考えられます。

 

 イヌの腫瘍に対しては現在,外科療法・放射線療法・化学療法の 3 大療法が主として用いられていますが,

 

 イヌの体への負担や副作用,がん種と療法との相性などの面で制限を受ける場合も多く,3 大療法に加えて新たな治療戦略の開発が望まれています。

 

 

 近年ヒト医療では,ニボルマブ(オプジーボ:抗 PD-1 抗体)に代表される免疫チェックポイント阻害薬が悪性黒色腫をはじめとし
た多くのがん種において著効を示し,免疫療法が第 4 の治療戦略として確立しつつあります。

 

 

<研究成果のポイント>


・イヌに複数回投与できる免疫チェックポイント阻害薬*1(イヌキメラ抗 PD-L1 抗体)を開発。

 

 開発した抗体は PD-1 と PD-L1 の結合を阻害し,リンパ球による腫瘍への攻撃を活性化。

 


・イヌの悪性黒色腫と未分化肉腫*3 において,腫瘍上の PD-L1 の発現を病理組織学的に確認。

 

 また,開発した抗体を悪性黒色腫と未分化肉腫に罹ったイヌに投与したところ,腫瘍の退縮を確認。

 


・悪性黒色腫では,肺に転移した後の生存期間を延長する効果を示唆。

 


・イヌの悪性腫瘍に対する新たな治療法として期待。

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 近年では、ペットであっても、人と同じレベルの治療を求めている方も増えているようで、医療保険が使えないにも関わらず、最高の医療技術が導入されています。

 

 今回のお話は、そんな治療方法に、免疫療法が使われ始めていることのに対する取り組みのようです。

 

 が、人間並みに数百万円~数千万円単位のお金がかかることもあるようですので、よくご確認の上、ご利用頂くことをお勧めします。