エイジレスの302回 記憶を思い出すための神経回路

 

 

 記憶障害の治療につながる発見らしいです。

 

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 私たちの記憶は「エングラム細胞」と呼ばれる海馬の特定の細胞群に書き込まれ、貯蔵され、そして再び活性化されることで思い出されます。

 

 共同研究チームは、これまで一連の研究から、マウスの脳内にエングラム細胞が実際に存在することを証明し、このエングラム細胞を操作することで記憶の形成や想起のメカニズムを解明してきました。

 

(中略)

 

 直接経路は記憶の書き込みに、間接経路は記憶の想起に、それぞれ重要であることが分かりました。

 

 さらに共同研究チームは、海馬の働きが関与していると考えられている別の恐怖条件付け課題や、報酬と場所を結びつけて嬉しい体験を記憶する条件付け場所嗜好性課題でも、間接経路の働きを抑制すると記憶の想起のみができなくなることを示し、

 

体験の種類に関わらず間接経路は記憶の想起に重要であることが明らかになりました。

 

 海馬支脚は海馬の重要な出力領域であるにも関わらず、その働きは長い間謎でした。

 

 今回の成果は、海馬支脚の役割を解明し、海馬の背側CA1からそれぞれ異なった領域に出力する二つの局所回路が、記憶の書き込みと想起という異なる役割を分担していることを示すもので、

 

さらに研究を進めれば記憶障害の治療法の糸口となると期待できます。

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 一般の方には、難しい内容ですし、すぐに役に立つ話ではありませんが、海馬の働きが、また一つ解き明かされたという点において、意義のあることだと思います。