エイジレスの267回 【老化】視床下部が老化を制御する仕組み
健康な視床下部幹細胞を移植することで、老化を遅らせることができ、健康な視床下部幹細胞を失うと、老化が加速することが、このほど行われた中齢マウスの研究でわかったとのことですので、ご紹介します。
因みに、視床下部とは、間脳の一部で、視床の下側にあり、脳下垂体につながる部分。
自律神経系の中枢で、体温調節・物質代謝の調節・睡眠・生殖など、生命維持に最も重要な統御機能をもつ重要な器官です。
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老化には、神経系が何らかの役割を果たしていることが知られており、視床下部が特に重要なことが最近の研究で明らかになったが、老化の身体的徴候が生じる正確な仕組みは、まだ解明されていない。
Dongsheng Caiたちの研究グループは、最近の研究で、視床下部が全身老化の一因となっていることを明らかにしているが、それを裏付けとして、今回の研究では、いくつかのマウスモデルを用いて、視床下部の神経幹細胞が老化過程の原因なのかどうかを調べた。
Caiたちは、このマウスモデルの体内にある特定の幹細胞を欠損させて、老化に似た生理的変化の加速または寿命の短縮を観察した。
逆に、中齢マウスに健康な幹細胞を移植したところ、老化が遅くなり、寿命が延びた。
また、Caiたちは、視床下部の神経幹細胞が脳脊髄液に分泌するエキソソームマイクロRNAが、この神経幹細胞による抗老化作用の一部に関係していることを明らかにした。
Caiたちは、視床下部の神経幹細胞の欠損が全身老化の重要な原因だと結論づけており、この結論によってCaiたちの当初の仮説が補強された。
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ということで、視床下部が元気になるか、移植によって、老化を遅らせることが出来るようです。
但し、今回もネズミさんのお話なので、人に応用されるには、相当な時間が必要かと思われます。
頑張って、長生きしてください。