エイジレスの238回 急性骨髄性白血病の再発の起源

 

 

 急性骨髄性白血病(きゅうせいこつずいせいはっけつびょう:AML)は、白血病の一種で、骨髄系の造血細胞が腫瘍化し、分化・成熟能を失う疾患です。

 

 初期症状としては、


1.鼻血や歯肉からの出血が止まりにくい、紫斑、点状出血ができるなどの易出血症状
 

2.風邪だと思っていたがなかなか熱が下がらないなどの感染症
 

3.全身倦怠感・息切れなどの貧血症状
 

 などがあようです。


 健康診断で数値異常を指摘され、発見される場合もまれにはあるようです。

 

 早期発見すれば当然症状も軽度であり、診断までの期間が遅れるほど白血病細胞は増加して初期症状の強さがまし、脾臓、肝臓やリンパ節などに浸潤して臓器腫大をきたし、様々な症状が現れるようになるとのこと。

 

 

では、論文をどうぞ

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 急性骨髄性白血病(AML)は、2種類の白血病細胞集団のうちの1つが存在していることを原因として再発するという結論を示した論文が、今週のオンライン版に掲載される。

 

 AMLの再発に異なるパターンがあることが明らかになったことで、AMLの管理とモニタリングの方法の改善につながる可能性が生じている。

 AMLの場合、患者の大半が寛解後に再発するため、患者の長期生存率は低い。

 

 しかし、治療の失敗の機構と白血病幹細胞の再生能力を明らかにするのは難題となっている。

 今回、John Dickたちの研究グループは、AML患者11人から診断時と再発時に採取した単核血球のサンプルを用いて、診断時に既に存在していた薬剤抵抗性細胞と2つの異なる経路を同定し、それらがAMLの再発を引き起こしたことを明らかにした。

 

 1つの患者群(未分化細胞を再発起源とする)の場合には、治療開始前の診断時にまれな白血病幹細胞集団が既に存在していたことを原因として再発したことが明らかになった。

 

 これに対して別の患者群(拘束細胞を再発起源とする)の場合には、幹細胞の転写シグネチャーを保持していた白血病細胞集団が原因となって再発していた。

 

 以上の新知見は、この2つの患者群におけるAMLの再発が、同定された細胞の幹細胞特性と結びついていることを示唆している。

 今回の研究で得られた知見は、AMLの治療法には、大半を占める腫瘍細胞集団の根絶だけでなく、がん幹細胞を効果的に狙い撃ちできることが求められるという考えを裏付けている。

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 急性骨髄性白血病の再発 について、2つの経路(原因)で、再発するパターンがあって、再発した時のパターンによって、最適な治療法を用いると、より効果的な治療ができるとのお話です。

 

 で、これは、他のがん幹細胞でも同じような考え方が適用できるはずだと、言っているようです。

 

 ごもっともな話ですので、応用が進んで、最適な治療が増えてくると、助かる方も、増えてくるかと思いますので、心の中で、応援していきたいと思います。