エイジレスの209回 本物のキャビアを特定する方法

 

 

 庶民の口には、なかなか入らない食材の一つがキャビアです。

 

 そんなわけで、興味さえないという方もいらっしゃるかもしれませんが、生きていると、どこで幸運が訪れるかわかりません。

 

 幸運にも、キャビアに巡り合ったときのためにも、というか、そんな時こそ、本物を食べたいというものです。

 

 ということで、たった一つ粒のキャビアから、本物を見分ける方法が開発されたとのことですので、ご紹介します。

 

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 高級食材のキャビアとはチョウザメの卵のことであり,特にオオチョウザメのキャビアは最高級とされています。

 

 しかしながら,オオチョウザメは過去1世紀にわたる乱獲や生息環境の悪化などにより個体数が激減し,今や世界中で最も絶滅の危機に瀕している魚種とされています。

 

 しかも,そのキャビアは最も大型で美味であることから最高級品とされており,高値で取引されています。


 近年,チョウザメ類の養殖が世界的に盛んになり,様々なチョウザメ類のキャビアが世界各国で生産されています。

 

 特に,オオチョウザメとコチョウザメの雑種である「ベステルチョウザメ」は,養殖に適しており,キャビアの生産も可能です。


 このように,キャビアは様々なチョウザメの種あるいは雑種から生産できますが,原材料となった魚種をキャビアの外見から特定することは,ほぼ不可能です。

 

 そのため,これまでも,一部のチョウザメでは原材料となった魚種を判別するための様々な方法が考案されてきましたが,本研究の対象としたオオチョウザメや,それを親とするベステルチョウザメを識別する方法は全くありませんでした。

 

 そこで,本研究では,純粋なオオチョウザメに由来するキャビアを識別するためのDNAを用いた方法を,北海道大学とチェコ共和国・南ボヘミア大学の共同で開発しました。

 

 ①オオチョウザメのDNAだけでPCR増幅するプライマー

 ②オオチョウザメ以外のチョウザメ類のDNAでPCR増幅するプライマー

 ③コチョウザメのDNAだけでPCR増幅するプライマー

 ④コチョウザメ以外のチョウザメ類のDNAでPCR増幅するプライマーの設計に成功しました。

 

 ①~④を併用すると,オオチョウザメだけでなく,オオチョウザメを親にもつ雑種(ベステルチョウザメも含まれる)に由来するキャビアを識別することが可能となります。

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 早い話、本物のキャビアを特定する方法は、DNAを調べる方法なので、目の前に出てきたキャビアが本物かどうか、わかるわけではありません。

 

 が、少なくとも、市場に流通しているニセモノのキャビアを駆逐する方法が開発されたので、手法が普及すると、折角のキャビアを食べられる機会が残念なことになる可能性が減ることとなります。

 

 因みに、現在は、本物を判別する方法がないとのことですので、プロの方でも、わからないかもしれません。

 

 変に安いのは怪しいとは思いますが、高いからと言って本物かどうか何とも言えない感じです。

 

 せめて、信頼できるお店で食べられたほうが、宜しいかと思います。