エイジレスの198回 古代生物も温泉好き?

 

 

 温泉法第2条(定義)によると、温泉とは、以下のうち一つ以上が満たされる「地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)」と定義されています。


1.泉源における水温が摂氏25度以上。(摂氏25度未満のものは、冷泉または鉱泉と呼ぶ事がある)


2.以下の成分のうち、いずれか1つ以上のものを含む。(含有量は1kg中)
・溶存物質(ガス性のものを除く。) 総量1000mg以上
・遊離炭酸(CO2) 250mg以上
・リチウムイオン(Li+) 1mg以上
・ストロンチウムイオン(Sr2+) 10mg以上
・バリウムイオン(Ba2+) 5mg以上
・フェロ又はフェリイオン(Fe2+,Fe3+) 10mg以上
・第一マンガンイオン(Mn2+) 10mg以上
・水素イオン(H+) 1mg以上
・臭素イオン(Br-) 5mg以上
・沃素イオン(I-) 1mg以上
・フッ素イオン(F-) 2mg以上
・ヒ酸水素イオン(HAsO42-) 1.3mg以上
・メタ亜ひ酸(HAsO2) 1mg以上
・総硫黄(S)[HS-,S2O32-,H2Sに対応するもの] 1mg以上
・メタホウ酸(HBO2) 5mg以上
・メタけい酸(H2SiO3) 50mg以上
・重炭酸ソーダ(NaHCO3) 340mg以上
・ラドン(Rn) 20×10-10Ci以上
・ラジウム塩(Raとして) 1億分の1mg以上

 

 

 以上のように、一口に温泉と言っても、法律的には、細かく規定されています。

 古くからある温泉は、法律を作るときに考慮されているので、間違いはないと思うのですが、中には、泉質などを偽っているケースもあるようなので、一応、気にしていた方がいいかと思います。

 

 法律が出来たのは、1948年ですが、微生物は、そのはるか以前から、温泉にいたようでして、なんと、34億年前の鉱床から発見されたとのことです。

 

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 生物の証拠が、オーストラリアの34億8000万年前の温泉鉱床から発見された。

 

 この新知見は、生物が存在する地球の陸上温泉の記録を約30億年さかのぼらせるとともに地球上に生物が存在していたことを示す最も古い証拠の1つとなった。

 今回、Tara Djokicたちの研究グループは、西オーストラリアのピルバラ地塊にある34億8000万年前の温泉鉱床を調べた。

 

 Djokicたちは、この温泉鉱床が陸上のものか海底のものかを確定するために調べたところ、高温のシリカ溶液から生成する鉱床で、陸上温泉でのみ見つかっているガイザライトが同定された。

 

 このガイザライトには、ストロマトライト(微生物の活動によって形成した薄層状の累層)とその他の微生物の痕跡が見つかり、この34億8000万年前の温泉に多様な生物が存在していたことが示された。

 陸上温泉に多様な生物が存在しうることは理論的に確立しているが、この種の環境に生物が存在していたことを示す証拠は、約4億年前のものしか発見されていなかった。

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 ということで、微生物が温泉に入っていた時期が、これまでより、30億年もさかのぼったということです。

 

 地球が誕生したのが、ざっと45億年ほど前で、最初の内は、真っ赤に燃えたぎるマグマ状態で、とても、生物が生まれる状況になかったことを考えると、単純に凄いと思います。

 

 温泉には、古細菌と呼ばれる微生物や酵母などの真菌類の微生物が現在でも生息していて、特に、美人の湯と呼ばれるような温泉には、たくさんいるようです。

 

 泉質も重要ですが、微生物も皆様の美容と健康に寄与しているようですので、温泉に行かれた際には、優しくされてください。

 

 因みに、循環型の温泉には、レジオネラなど悪さをする細菌もいますので、お気を付けください。