186回 イヌの歯の再生に成功!ヒトにおける完全な歯の再生治療の実現可能性を証明

 

 

 健康に自信のある方でも、歯に関しては、悩みがある場合が少なくありません。

 

 ある統計によれば、日本人の7割が歯槽膿漏との話もありますので、症状が進行すると、加齢とともに、歯が弱くなる人が少なくないのが現状です。

 

 そんな歯の将来に対して、朗報なのが、今回の論文です。

 

 犬とはいえ、歯の再生に成功したとのことで、ヒトへの応用にもつながることから、歯槽膿漏で、歯を失ったとしても、何となる時代になるかもしれません。

 

では、論文をどうぞ

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<本研究成果のポイント>

 

 ●歯の喪失治療は、歯の生理機能を有していない人工的な代替治療が主流で、生物学的な歯の再生が望まれていた。

 

 これまで、研究グループはマウスにおける歯胚、歯周組織の器官としての再生技術「器官原基法」を開発。ヒトへの応用には、大型動物モデルでの再現が必要だった。

 

 ●今回、器官原器法を用いて、イヌの歯胚細胞においても再生歯胚の作製に成功。

 

 再生歯胚を顎骨に移植し、構造的・機能的に完全な再生歯を作ることにも成功した。

 

●再生歯はエナメル質や象牙質の構造、歯の移動が天然歯と同等のものができた。

 

●大型動物モデルでの実用的な歯の再生治療を実証した

 

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 歯を支える骨の部分も含めて、再生できたとの話ですので、完全に歯を失ったとしても、何とかなりそうなお話です。

 

 歯の健康が、身体の健康や寿命にも影響するという研究もありますので、歯の再生には、大きな期待がかかるところです。

 

 因みに、最近の研究によって、これまで慢性炎症との関連についてはほとんど顧みられなかった病気でも、実は慢性炎症が関わっていることがわかってきました。

 

 加齢とともに増加するがん、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などの種々の疾患、さらには老化そのものも、慢性的な炎症性の変化によって症状が進行するのではないかと考えられる証拠が見つかってきました。

 

 なので、歯茎の炎症が長く続いている方は、早めの治療がお勧めです。

 

お大事に!