エイジレスの158回 虫がガンを嗅ぎ分ける・・これも先端技術です。

 

 

 最先端技術は、宇宙とかITとかが目立っていて、基本的には、人が作り出したものというイメージがありますが、バイオテクノロジーや生命科学の世界では、細菌やバクテリアといった生き物を利用しているケースがたくさんあります。

 

 今回は、細菌やバクテリアよりも、かなり大きめの生物、「線虫」のお話です。(大きいと言っても、1mmぐらいですが・・)

 

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 体長約1ミリの線虫が、がん患者の尿に誘引される性質を利用したがん検査の実用化に向け、九州大発のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」と日立製作所は、共同研究を行うと発表した。

 

 線虫は、がん患者の尿には誘引行動を、健常者の尿には忌避行動を示すという特徴を利用して、ガンの早期発見を行う。

 

・必要な尿はわずか 1 滴!
・医療機関に行く必要がない
・診断結果が出るまで約 1 時間半
・数百円で検査できる
・すべてのがんを 1 度に検出可能
・早期がんを発見できる
・感度 95.8%

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 CTやMRIなど、最先端の技術を使っても、ステージ0やステージ1のガンの発見は困難です。

 

 例えば、乳がん検診で使われているマンモグラフィーは、20%程度は、見逃してしまうという話もあります。

 

 あくまでも、画像を見ながら、人が判断するため、患者さんの個人差やお医者さんの力量によっても、ばらつきがでてくるようです。

 

 今回のお話は、その見極めを、線虫という虫さんにやってもらうということで、95%もの確率があるというからすごいです。

(腫瘍マーカーは、10~20%程度)

 

 因みに線虫というのは、線形動物のことで、回虫・鞭虫などが含まれるほか、たくさんの種類がいることがわかっています。

 

 細菌類をエサにしているようでして、飼育するのも、対してお金もかからなし、手間もかからないので、利用しやすい生物のようです。

 

 既に、検査装置も試作されていて、間もなく、実用化もできるとのことですので、ガンが心配な方は、もう少しお待ちください。

 

 但し、公的保険の対象外となりますので、ちょっとお値段高めになる見込みのようですが、それでも、1万円未満で提供されるようです。