エイジレスの155回 失明したマウスが視力を回復

 

 

 年を取ってくると、身体中の部品に異常が出てきます。

 

 どこに異常が出ても、不自由なことになるわけですが、とりわけ、視力の低下、特に失明は、大きな障害となります。

 

 今回は、不幸にも失明に至ったとしても、回復する可能性のあるお話です。

 

論文をどうぞ(近々、発表される予定)

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 網膜色素変性症(RP)と、加齢黄斑変性は、桿体視細胞と錐体視細胞の欠損が関係する眼の変性疾患であり、視力障害が起こり、場合によっては視力を完全に失うこともある。

 

 いくつかの技術が、視力回復効果が期待される治療法として追求されており、その1つが光スイッチ化合物である。

 

 光スイッチは、眼の神経イオンチャネルに光感受性を与え、光を使ったニューロン活動の制御を可能にする分子である。

 

 この論文で、Richard Kramerたちの研究グループは、DENAQより優れた光スイッチ化合物BENAQが開発されたことを報告している。

 

 Kramerたちは、動物モデルを使って実験を行い、BENAQがDENAQよりも20倍強力で、網膜の視覚応答を約1か月にわたって回復させることを発見した。

 

 Kramerたちは、こうした特性によってBENAQが将来的な視力回復のための薬物候補として適している可能性のあることを指摘している。

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 ということで、「BENAQ」という化合物を使うと、視力が回復して、副作用もないことが確かめられたということです。

 

 今の所、効果が持続するのは、1か月ということなので、継続して使う必要がありそうですが、それでも、失明状態よりは、ずっといいかと思います。

 

 例によって、まだ、マウスでの実験段階ではありますが、目の症状でお困りの方には、朗報だと思います。

 

 アメリカなら、5年ぐらいで、何とかするでしょうから、心待ちにしておいてください。