150 トマトがらくらく栽培できるらしい・・
トマトは、様々な健康機能やうまみ素材としての重要性から、世界各地で周年生産されている野菜です。
真っ赤なトマトには、ビタミンCをはじめ、栄養がいっぱいあって、その中でも今とくに注目されているのがリコピンと呼ばれるかカロテノイド(天然色素)の一種です。
リコピンの抗酸化作用は強力で、β-カロテン(にんじん、かぼちゃなどに含有)の2倍、ビタミンEの100倍ともいわれています。
で、老化防止やガン予防にも効果があると言われて、一年中、人気の野菜です。
但し、身体に良いことは、間違いないのですが、実は、抗がん効果については、効果あり・なしが併存していて、未だに決着はついていません。
また、京都大学大学院の河田照雄教授らの研究グループにより、トマトに含まれる13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸に血液中の脂肪増加を抑える効果があることが発見され、2012年2月10日に発表されました。
研究段階である上、効果を得るには大量のトマトを食べる必要があるとされるのですが、日本では大きく報道されたことにより、トマトジュースが供給不足になるほどのブームが起きました。
そんな訳で、加工品も含めて、毎年2300トンほど輸入されているトマトですが、このほど、トマトをらくらく栽培できる方法が見つかったとのことです。
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・筑波大学遺伝子実験センターが有するトマト品種マイクロトムの大規模変異体集団(1万系統以上)を栽培し、単為結果性を示す系統を複数系統選抜しました。
・選抜系統の生育特性を詳細に解析し、不良形質がなく、生育が旺盛で安定して単為結果性を示す系統を絞り込みました。
・絞り込んだ単為結果系統の分子遺伝学的解析を行い、原因遺伝子を同定しました。
・同定した遺伝子について、DNA マーカーを開発しました。
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すみません・・・
なんのことか、意味不明ですよね。
要は、新種のトマトを開発する際に、たくさんできるようにするための遺伝子(DNA)を見つけたので、そこを、ちょちょいと操作すると、簡単に、新種トマトが作れます、というお話です。
で、手間もかからず、トマトがたくさん生産できると、結果的に、消費者にとっても、メリットのある話です。
しかも、他のお野菜にも応用できそうということで、将来の食料不足にも対応可能な技術です。
凄い技術だとは思うのですが、なんか、地味です・・
ということで、皆様は、裏方のお話は気にせずに、トマトの健康効果を信じて、たくさん食べてください。
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