エイジレスの129回 フードペアリングと和食
毎日、食事メニューを考えておられるお母さん、ご苦労様です。
そんな、頑張るお母さんがメニューを考えるきっかけになる一つの方法に、「フードペアリング」というのがあります。
基本的には、西洋系の料理のお話なのですが、どの食材を組み合わせるとおいしくなるかが、視覚的にわかる仕組みがあります。
なので、ワンパターンのメニューに飽きた方が、自分なりの創作メニューを考えるときには、役に立つかもしれません。
で、フードペアリングを科学的に詳らか(つまびらか)にしたのが、こちらの論文です。
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「フードペアリング」理論によれば、2つの食材を組み合わせておいしいと感じられるのは、個々の食材が類似の風味化合物によって構成されている場合だとされる。
この理論は、分子ガストロノミーにおいて、Heston Blumenthalなどのシェフによって活用されることがあるが、その系統的な検証は行われていなかった。
今回、S Ahnert、A-L Barabasiたちの研究チームは、381種の食材と各食材の風味に寄与することが知られる1,021種の風味化合物による「風味ネットワーク」を構築した。
このネットワークでは、2つの食材に共通する風味化合物が多ければ多いほど、両者間の結びつきが強固になるようにした。
次に、Ahnertたちは、3か所のオンライン情報サイト(そのうち、2か所が米国で運営され、1か所が韓国で運営されている)に掲載されているレシピにおける食材の組み合わせを分析して、異なる地理的領域の料理に統計的に優位な差が認められるかどうかを調べた。
その結果、共通の風味化合物を含む食材を好んで用いる傾向のある北米と西欧の料理には、フードペアリング理論が妥当すると考えられたが、その他の地域、例えば、東アジアや南欧では、同じ風味化合物を含む食材を系統的に避ける傾向が見られた。
近年、生物学と社会科学の特定の領域で、データ主導型のネットワーク解析が大いに役立ってきている。
今回の研究は、ネットワーク理論によって、食品科学など新たな分野で新たな知見が得られる可能性を示唆している。
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ということで、論文書いた人たちが作った「風味ネットワーク」というのが、下図です。
よくわかりません。かえって、複雑にしたような図です。
味の専門家の方が見ると、わかるそうなのですが、一般の方には、参考にならないかもしれません。
一例を紹介しますと、チョコレートとキャビアは73種類の同じ風味化合物を共有しているので、組み合わせると、おいしくなるそうです。
また、チョコレートとブルーチーズの組み合わせにおいては、何と73もの共通風味成分があるとしています。
詳しく知りたい方は、スターバックスさんのHPに詳しい具体例が載ってますので、ご覧ください。(→ コーヒーに合うフード)
いろんな可能性がありそうなフードペアリング理論ですが、今のところ、西洋系の食材にはうまく適合しているみたいですが、和食、中華、東南アジアなど異なる文化の食材には、当てはまらないようです。
特に、和食は、「海系のだし」と「陸系のだし」を組み合わせるなど、むしろ、違うものの組み合わせで、おいしさを作り出すみたいなところがありますので、「和食版フードペアリング」みたいなものが必要なのかもしれません。(既に、らしきものはあるようですが・・)
そのうちに、気の利いた方が、わかりやすく作ってくれるとは思いますが、理屈が無くても、既に美味しい和食は、たくさんありますので、今まで通り、ネットでみててください。