128回 細胞膜の修復におけるビタミンEの役割

 

 

 今回は、皆さんがよくご存じのビタミンEの新たなお仕事のお話です。

 

 復習も兼ねて、ビタミンEの簡単なご説明です。

 

 ビタミンEは、脂溶性(油に溶ける)ビタミンで、8種類の異性体を持つ物質の総称です。

 

 大きく分けて、トコフェロールとトコトリエノールの2種類があります。

 

 

 それぞれ、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)の4種類の異性体があります。

 

 で、皆さんが、よくご存じなのは、α-トコフェロールのことで、最も活性が強くて、抗酸化力があります。

 

 なので、ビタミンE配合とか、ビタミンEたっぷりなんて、表示にだまされて買ってしまうと、実は、活性のないビタミンEだったりするかもしれません・・

 

 

 最も、ビタミンEを異性体ごとに分けるのも、結構、至難の業で、お金もかかるので、わざわざ、α-トコフェロール抜きのビタミンEなんてことは、まずないと思います・・

 

 しかし、オイルの種類によって、α-トコフェロールの含有量は随分違いますので、知っておいた方がいいかもしれません。

 

 α-トコフェロールの多いオイルは、

 

           α   β  γ  δ

 ひまわり油     38.7    0.8    2.0    0.4
 綿実油        28.3    0.3    27.1    0.4
 サフラワー油   27.1    0.6    2.3    0.3
 米ぬか油      25.5    1.5    3.4    0.4

 

 α-トコフェロールの少ないオイルは、

 

           α   β  γ  δ

 パーム油      8.6    0.4    1.3    0.2
 オリーブ油     7.4    0.2    1.2    0.1
 えごま油       2.4    0.6    58.6    4.6
 アマニ油       0.5    0     39.2    0.6
 ごま油        0.4    0     43.7    0.7
 

 

 皆さん、よくご存じのオリーブオイルや高級オイルのえごま油は、意外と、含有量は、少ないです。

 

 因みに、もう一つの異性体、トコトリエノールは、油の中では、活性は低いのですが、体内、特に細胞に取り込まれると、α-トコフェロールの50倍もの活性を示すという報告があります。

 

 トコトリエノールを多く含むオイルは、米(ぬか)油です。

 

 リターンエイジング挑戦中の方や、抗酸化力を期待される方には、おすすめです。

 

 

前置きが長くなりましたが、今回の本題です。

 

細胞膜の修復におけるビタミンEの役割

 

こんな論文です

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 酸化ストレスによって細胞膜が損傷した培養筋細胞をビタミンEで処理すると、細胞膜が修復されることが明らかになった。

 

 この新知見は、実験的な細胞膜の修復に重要な意味を持っている。 

 

 今回、P McNeilたちは、筋細胞と糖尿病のin vitroモデルで色素摂取量を測定し、一般的なタイプのビタミンEであるα-トコフェロールが、色素の細胞への侵入を阻止することを明らかにした。

 

 このことは、ビタミンEが細胞膜の修復を調節することを示唆している。

 

 また、α-トコフェロールには、機械的ストレスや酸化ストレスにさらされた細胞の修復を高める作用も見られた。

 

 以上の新知見は、ビタミンEの不足した食事をとっていると細胞膜の損傷を修復できなくなる可能性があることを示唆している。

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 α-トコフェロールが、細胞膜の修復に関与しているので、食べないと、大変なことになるよ~というお話です。

 

ビタミンEの一日の摂取量は、

 

 成人男子(18–29歳)    7  ~ 800 mg/day
 成人女子(18–29歳)   6.5  ~ 650 mg/day

 

となっていますが、オイルの取り過ぎで、メタボが促進される可能性のあるお父さんたちには、α-トコフェロールがたくさん入ったオイルを食べて、効率的に摂取された方が宜しいかと思います。

 

 皆様のご健康をお祈りしております。

 

 

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