117回 肥満マウスをスリムにする化合物を発見!

 

 

 肥満体質、プチ肥満体質、メタボの皆様で、スリムになりた~いとおもわれておられる方には朗報です。

 

 スリム化できる化合物が発見されました~!といっても、一昨年の論文ですが・・

 

 その名は、「グリシン-β-ムリコール酸(Gly-MCA)」という新しい化合物です。

 

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 胆汁酸を用いて、腸内細菌によって分解されにくく、血液中にわずかな量しか取り込まれない薬を生成した。

 

 この薬は、腸細胞で発現するFXRだけを阻害するが、肝臓では濃度が低すぎてFXRに何らの影響も及ぼさない。

 

 Gonzalezたちは、いくつかの実験を行って、5匹のマウスにGly-MCAを投与し、その結果、肥満マウスの体重増加が抑制され、代謝機能が改善されたことを明らかにした。

 

 また、Gonzalezたちは、Gly-MCAがもたらす有益な効果が、いわゆる「ベージュ」脂肪細胞の熱産生の増加によるものであることも明らかにした。

 

 この現象は、腸細胞内での脂質分子(セラミド)の産生量の減少の結果として生じている。

 

 Gonzalezたちは、Gly-MCAが代謝性疾患の有望な治療薬候補であり、マウスを用いた研究がヒトの治療法の開発に役立つ可能性があるという見解を示している。

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と、いうことです。

 

 つまり、

 

 ・「グリシン-β-ムリコール酸(Gly-MCA)」という物質は、腸で分解されない

 

 ・分解されないので、吸収されない

 

 ・エネルギー代謝の重要な調節因子である胆汁酸受容体(FXR)の作用を選択的に抑制する

 

 ・FXRを抑制するので、ねずみさんたちの体重増加が抑えられ、代謝も改善した

 

 ・体重が増えなかった理由は、褐色脂肪細胞が元気になったから

 

ということです。

 

 「褐色脂肪細胞」とは、一般に体脂肪といわれる「白色脂肪細胞」に溜め込まれた脂肪を燃やしてくれる細胞でして、活性化すると、ダイエットに繋がることは、以前から知られていました。

 

 しかし、生まれたときには100gほどあった「褐色脂肪細胞」は、大人になると40g程度に減ってしまうと言われていまして、これが、肥満になる大きな理由の一つと言われています。

 

 

 今回、発見された「グリシン-β-ムリコール酸(Gly-MCA)」は、せめて、残った褐色脂肪細胞に頑張って貰おうという趣旨の物質です。

 

 論文が発表されてから、1年ほどたちますが、まだ商品になったという話は聞きません・・

 

 人への応用には、まだ、時間が掛かるようです。

 

 ということで、「第104回 魚でメタボ解消!ダイエットにも」に、褐色脂肪細胞の増やし方を記載しておりますので、まずは、褐色脂肪細胞を増やすことから、始めてみては如何でしょうか?

 

 健闘をお祈りしております。