第88回 肥満を抑える糖鎖を発見!最新ダイエット法になるかも
結論から言うと、「α2,6シアル酸」を持つ糖鎖が、肥満を抑える働きをしているとのこと。マウスの実験では、デブくなるほど、「α2,6シアル酸」を持つ糖鎖が減ってきて、益々、肥満が進むとのことです。
糖鎖とは、グルコースなどの糖が鎖状につながって、タンパク質などに結合したもので、体内の半分以上のタンパク質は糖鎖を付けた状態で存在しています。
糖鎖は体の中でさまざまな役割を果たしており、糖鎖の構造や量の変化が、がん、糖尿病、アルツハイマー病などの疾患の原因の一つとなることが分かっています。
で、α2,6シアル酸を作る酵素である「ST6GAL1」という物質を、強制的に増やすと、肥満が解消されるとのことです。
ダイエットに苦しんでおられる方には、朗報ですね。
「肥満に伴って脂肪細胞が肥大・増殖すると、脂肪細胞の働きが悪くなり、代謝の異常や生活習慣病の発症につながります」と、言われてダイエットに挑戦してみたものの、結局、ダイエットに失敗し続けた結果、リバウンドして、以前より肥満が進んだ方には、救世主になるかもしれません。
今回、ご紹介した話は、例によってマウスの話なのですが、最新の報告では、人にも同じ酵素があって、同じような働きがあることが、報告されています。
エスティーシックス ギャル1(「ST6GAL1」)って、アイドルグループみたいな名前の酵素は、残念ながら、まだ実用化されていませんが、元々、人の体内で生合成されている酵素ですし、日本だけでも、肥満の方が2500万人もおられるとのことですから、効果の高さから見て、実用化研究も急ピッチで進められることになるかと思います。
それまでは、可能な限り、代謝を上げ、「ST6GAL1」を生合成するための自助努力をしつつ、心待ちにして、お待ちください。