第87回 長生きと言えば、長生きなのですが・・・休眠と冬眠
 
 
 遠い宇宙を旅する時に、「コールドスリープ(人工的な冬眠)」のカプセルに入って眠った後、宇宙船が自動運転しながら、到着地に近づくと、カプセルの扉が開いて、目覚めるみたいなSF映画を見たことがある方もおられると思いますが、中には、冷凍保存みたいに、人間を凍らすなんて、なかなか過激な方法もあります。
 
 スターウォーズのハン・ソロも、確か凍っていたような・・・
 
 最近では、人が死んだ後に冷凍保存して、将来の科学技術の進化で、再び復活する日まで、預かるなんてサービスもあります。日本では、死後は、火葬するという考え方のせいか、そのようなサービスは、ないようですが・・
 
 因みに、精子や卵子レベルなら、既に、冷凍保存技術が実用化されています。
 
 眠っているだけなので、生きているという実感は得られませんが、それでも長生きされたいと思われる方は、「休眠」という方法が使えるかもしれません。
 
 今回もマウスの実験なのですが、C57BL/6Jという系統では、24時間絶食させて、外気温が12~24℃の範囲内だと100%の確率で休眠に誘導できることが明らかになったとのこと。
 
 クマやリスなどの動物は、寒くなると「冬眠」しますが、そもそも冬眠は、基礎代謝が正常時の1~25%ほどまで低下しているのになぜ死なないのか、など謎が多いそうです。
 
 で、今回のマウスも、基礎代謝が30%程度となって、休眠するとのこと。
 
 「第66回 代謝の活性化で短命化?まさしくアンチエイジングレスな生き物」でご紹介しました平均寿命400年の「ニシオンデンザメ」も、極めて代謝の低いお魚でしたので、やっぱり長生きするためには、代謝が低い方が良いのかと思ってしまいます。
 
 今後の期待として、
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 能動的低代謝は、哺乳類が長年の進化を経て獲得した優れた生存戦略です。その生存戦略をヒトに応用することで、再生医療や救急医療を著しく改善できると考えています。
 
 本研究によって能動的低代謝の研究が盛んになり、低代謝のメカニズムの理解が進むことで、“次世代型の低代謝医療”実現が現実味を帯びてくると考えられます。
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と申しております。
 
 霊長類の中にも、冬眠する動物がいるようですから、人も冬眠したり、休眠したりできるようになるかもしれません。
 
 10年後、100年後に目覚めるのも面白いかもしれませんし、眠ってるだけで、ダイエットができるかもしれません。
 
 何がなんでも長生きされたい方は、もう少しお待ちください。
 
 因みに、私は、天寿で、いいかなぁと思っています。
 
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