第83回 女性ホルモンで、脳のリターンエイジング
 
 
昔の話(2009年)なのですが、女性ホルモンがあると、記憶障害がすくなくなるというお話です。
 
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 女性ホルモンのエストロゲンが脳血管を拡張し、記憶障害を改善する機能を持つことが、理化学研究所の研究チームによるマウスを使った実験で明らかになった。老化や動脈硬化による記憶障害を予防したり、改善したりする薬の開発に役立つことが期待される。10日付の米科学誌「PLoS ONE」に論文が掲載された。

 理研脳科学総合研究センターの山田真久ユニットリーダーらは、遺伝子の欠損により脳の血管を拡張させるたんぱく質を持たないマウスのうち、オスだけが脳の血流が減少し、記憶障害を起こすことに着目。同じ遺伝子を欠損していても、メスの脳ではエストロゲンが代替機能を果たしていることが分かった。

 さらに、脳血流の減少で記憶障害を起こしたマウスの脳は、神経細胞の数が減るわけではなく、神経細胞同士のつながり(シナプス)が減少するだけだったことも判明。オスでもエストロゲンの投与によりシナプスが増え、記憶障害が改善した。
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 女性ホルモンは、オスにも効果があるとのことですので、物忘れが多くなったと感じてきた方は、なるべく女性らしくなった方がいいのかもしれませんが、エストロゲンは、テストステロン(男性ホルモン)を原料として分泌されており、テストステロンが増えると、単純に、エストロゲンも増えるので、男磨きに頑張るのも、一つの方法です。
 
 因みに、ホルモン補充療法は、近年の大規模臨床試験において副作用が指摘されておりますので、ホルモンを直接摂取するのは、やめておいた方が良さそうです。
 
 
エストロゲンに似た物質 フィトエストロゲン(植物エストロゲン)
 
 エストロゲンに似た物質で、同じような作用が期待される物質として、フィトエストロゲンというのがあります。
 
 有名なのは、大豆に含まれるイソフラボンですが、その他にも、リグナン、クメスタン(クマリンの誘導体)、ミロエステロールやデオキシミロエステロールなどがあります。
 
 
リグナンを多く含む食べ物
 
アカゴマ    300,000 µg (0.3 g)
ゴマ    29,000 µg (29 mg)
アブラナ属野菜    185 - 2321 µg
穀類    7 - 764 µg
赤ワイン    91 µg
 
クメスタンを多く含む食べ物
 
インゲンマメ、ライマメや、特にアルファルファ、クローバーのスプラウト
 
イソフラボンを多く含む食べ物
 
大豆製品
 
 
 フィトエストロゲンは、大量摂取すると副作用があることが報告されていますが、普通に食事で摂取する量なら、なんの心配もいりませんので、記憶障害が気になる方は、積極的に食べてください。
 
 
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