第80回 免疫システムの老化を引き起こす仕組みを発見とのことです

 

 年を取ると、体内の様々な機能が低下して、老化に伴う病気にかかりやすくなるのは、皆さん、よくご存じかと思います。

 

 今回は、その中でも重要な、免疫システムの老化の話です。

 

2014年の発表ですが、

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 愛媛大学の山下教授らは、マウスでメニン(Menin)というたんぱく質が、ヘルパーT細胞の老化を制御する鍵分子として働くことを明らかにしました。

 

 次に、Meninの下流で働いて老化に伴う過剰な炎症反応の誘導を抑える分子として、バック2(Bach2)というたんぱく質を同定しました。今回の研究から、ヘルパーT細胞の老化に伴ってMeninの機能が弱まり、MeninがBach2の発現を誘導できなくなることが、炎症状態につながる可能性が示唆されました。

 

 今後、この仕組みをさらに詳細に解析し、制御法を見つけることで、老化に伴う慢性炎症疾患の発症や感染症の増加の予防・治療へとつながることが期待されます。

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 わかりやすく言えば、

 

・ヘルパーT細胞という免疫システムの司令塔が老化すると、元気がなくなる

・ヘルパーT細胞の元気がなくなると、メニンというたんぱく質も機能低下

・メニンの元気がなくなると、バック2というたんぱく質も元気がなくなる

 

その結果として、

・免疫システムが、老化する

 

ということです。

 

 つまり、ヘルパーT細胞の老化を防いで、元気にすれば、免疫システムも元気ということのようでして、「老化の制御法を見つけることで、老化に伴う慢性炎症疾患の発症や感染症の増加の予防・治療へとつながることが期待される」ということです。

 

 

今できる免疫システム活性化法

 

 免疫システムが老化する仕組みの一つが見つかったということで、めでたしめでたしなのですが、残念ながら、老化を制御する方法は、これから見つけるということですので、すぐに役立つわけではないのですが、一般的に、免疫力活性化に良いといわれている方法がありますので、とりあえずは、そこから始めるしかないです。

 

皆さん、よくご存じの方も多いと思いますが、おさらいです。

 

1.寝る ・・・    一日7~9時間

2.食べる ・・・  栄養パランスが大事(腸が免疫の7割を担当している)

            キノコ、大豆製品、青魚、海藻は必須

3.運動する ・・・ 一日5分でも、しないよりは良いらしいです

4.笑う ・・・    免疫力アップに効果があるらしいです

5.入浴する ・・・ 体温が1℃上がると、免疫力6倍らしい

6.禁煙、減酒 ・・・ わかっているけど、やめられないですかね

7.潔癖症はやめる ・・ ある程度、菌に慣れ親しんで、抗体を作りましょう

8.その他 ・・・ 代謝アップ、ストレス発散など

 

では、ご自愛ください・・・