落語とジャズとお馬さんと…

落語とジャズとお馬さんと…

趣味の落語とジャズとお馬さん(競馬)に限らず、日々の出来事をつれづれなるままに書いてます。

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もう、二週間も前になりますが、
11月26日(土)、東京芸術劇場で行われました「橘家文左衛門改メ三代目橘家文蔵襲名披露興行(特別篇)」に行ってきました。
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三代目橘家文蔵師匠の襲名を落語協会、落語芸術協会、落語立川流、五代目円楽一門会の四派が一同に会して、お祝い(?)してくれました。

今日は何といっても「口上」です。
司会は春風亭一之輔師匠。

落語では散々今日の襲名について、
「今日は反社会的な集まりにようこそ…
三代目なんて聞くと、ブルブルってなります。」
…なんて言っていたのに、口上では緊張しちゃったみたいで…
「私が何か言うよりも、先輩たちが何か言うでしょう」なんて早々と切り上げようとするものだから、黙っているはずの文蔵師匠が思わず…
「何か言えよ!」
それで仕方なくなく(?)、文蔵師匠との思い出を…
文蔵師匠と初めて会ったのは…先代文蔵師匠のお通夜の時。
前座で入ったばかりの一之輔師匠、文蔵師匠に言われてトランプを買いに…
「おい朝左久、トランプ買ってこい!」
「何すか、手品か何かするんですか?」
「博打に決まってんだろう!」
新井薬師のローソンで見つけた「とっとこハム太郎」のトランプを買って帰ったところ、文蔵師匠にもう一組同じものを買ってこいと言われた一之輔師匠、イカサマをするつもりなんだと思ったそうな。
苦労して買ってきた二組のトランプは結局使われることなく、そのまま一之輔師匠がもらうことに…
これが2001年の9月11日のことで…
「…てめぇこの野郎、文左衛門、ふざけやがって!」と思ったら、アルカイダが飛行機でって…もう全然、お祝いの言葉になってない(笑)

続いて兼好師匠が口上を述べるんだけど、一之輔師匠のその紹介がまたふざけて…
「さぁ〜続きまして、“NPO法人”五代目円楽一門会を代表しまして…」
NPO法人って…どうも談春師匠が楽屋でそう言えと言ってたみたいなんだけど…
もちろん会場は大爆笑。

文蔵師匠との思い出は…
師匠の好楽師匠と先代文蔵師匠が元々兄弟弟子という関係で、前座の頃からいろいろと三代目文蔵師匠にはお世話になっていたんだって。

特に初めて文蔵師匠の高座を見た時の驚き、あの衝撃が忘れられないそうで…
「…登場人物が全員前科者みたいで…そんな『千早振る』でした(大爆笑)」
「隠居と八っぁんの会話ではなく、ヤクザの抗争のようでした…でも、ドッカンドッカンとウケていたので、なるほどこういうキャラクター作りがあるんだと感動して覚えていたら、なんて事ない、地金だったという事がわかったのはだいぶ後のことでした(笑)」
最後に「…ロケット団のお二人には、あまり深入りしない方が良いよと言われるんですが、文蔵師匠について行きたいと思います。」と挨拶して口上を終えました。

続いて談春師匠なんだけど、ここでまた一之輔師匠が…
「続きまして、“宗教法人”…落語立川流を代表しまして…」
もう〜一之輔師匠、自分で“宗教法人”って言いながらわらっちゃってるんだもん。
観客の皆さんも、さっきの“NPO法人”が良いフリになっているから、こちらも大爆笑。

談春師匠と文蔵師匠の縁は、平成元年の「平成名物TVヨタロー」という番組で共演したときから。

談春師匠曰く
「はっきりこの際ですから申し上げますが、文蔵師匠の犯罪歴は、傷害、詐欺、窃盗、火付け、置引き…やってないのは、殺人と薬物と誘拐だけ…文蔵師匠の凄いところは、落語家になって更生したところでございます…文蔵襲名、誠におめでとうございます。」
もう〜談春師匠も心がこもってない。

このあとは神妙に頭を下げている文蔵師匠を間にはさんで、言いたい放題。
談春師匠が「カリスマがいなくなると宗教法人は結構楽だぞ!」なんて言って兼好師匠に宗教法人(?)に勧誘したり、一之輔師匠をいじったりして、みんな自由気ままに話しているものだから、さすがに文蔵師匠も黙ってられず
「これ口上なのか?」と…
そうしたら談春師匠、トリを務める昇太師匠に聞こえるように
「…次でまとめるから」
とプレッシャーを与えて…

「続きまして、“公益社団法人”落語芸術協会“理事”、春風亭昇太より口上申し上げます」
一之輔師匠もわざわざ役職まで付けて昇太師匠を紹介。
観客も今度こそちゃんと口上の挨拶をするだろう期待値が上がっている…そんな中、昇太師匠は可愛らしく
「え〜とね」
もう〜会場全員ズッコケ。

でも、さすがは昇太師匠です。ビシっと決めてくれます。
「弟子が師匠の名前を継ぐというのは、余程のことなんです。余程の思いと覚悟がないと出来ないことなんです…もう一回落語家として、別の自分の落語を作り上げようと覚悟したその瞬間が、この襲名のタイミングだったんだなと僕は思います。」
…とここまでは良かった。
文蔵師匠は料理が上手で、よくタッパー入れて持ってきてるようで(今日も鱈の西京漬けを持ってきてくれたんだって)
「…なので、僕ん家にあるタッパーはほぼ文蔵師匠のもの。買ったことないんです。時折、兄さんこれ食べる?と言っては作ってきてくれて…もう僕にとっては下宿屋のおばさんみたいなもの…そんな優しいところもある…でも僕はまだ更生したとは思っていません。真の更生はこれからです。新しい文蔵を作り上げていただけたらありがたいなと思います。」

ここで、普段は口上で主役は話さないんだけど、特別に文蔵師匠からご挨拶が…

まず第一声が…
「タッパー返してください」(大爆笑)

「鈴本演芸場から始まりまして、新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、それと国立演芸場の50日間、無事過ごせました。勤めました。
まぁ〜ここで良いだろうと思ってたら、ドンドンありがたいことに(お仕事)入れていただいて…
でも休んでいると駄目みたいですね。
回遊魚みたいに泳いでないと死んじゃうみたいな芸人になってしまったようで…
…これからドンドンドンドン恩返しをしなきゃいけません。そういう立場になりました。芸人の恩返しというのは、落語で恩返しするしかありません。
皆様の前で落語を披露することが恩返しに
なるんではないかと思います。
これからも努力してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。」

このあと三本締めがあって、やっぱりまた昇太師匠がやらかすんだけど、文蔵師匠の挨拶を聞かせもらって、ますます文蔵師匠を応援したくなりましたよ。

今回はチョット長いブログになりましたが、何だか書かずにはいられないくらいおめでたい口上でした。
ごちそうさまでした。

そうそう、一之輔師匠とかの落語は、またの機会に…書けるかなぁ〜