ベルリン肝っ玉母ちゃんの小遣い稼ぎ

少し遡ってベルリンでのお話。

ベルリンでは、メトロに乗っていると突然演奏が始まったりします。
何年か前にはスナフキンのような、さすらい風若人が
電車に乗り込んで来て、素晴らしい指さばきのギター演奏を。

哀愁漂う物悲しいメロディーで、聴いていた人たちは
自然とチャリチャリと小銭を渡していました。

今年見たのは、2組。

突然、カチッという音がして、音がした方に目をやると
ラジカセを背中に背負った、生活感丸出しの肝っ玉母ちゃん風の
おばちゃんが、「オゥオ～ゥオ～、マンボ～ゥ、イェイオ～～ゥオウ～～ゥオウ」と
時々上半身をくねくねフリフリさせながら歌い始めたではありませんか。

しかも、ウォウォ～と伸ばすところは
まるで平井堅やケミストリーの人たちがするように
片手で音程を調整しているみたいなのだけど、おばちゃんにそれ必要なのかしら？（笑）

そして、乗り合わせた何人かにターゲットをズキュンと絞り
その人たち1人ずつに目の真ん前で、
歌いながら両手を広げ上半身をひとくねり、ふたくねり。

負けて、紙コップにチップを入れる人も居れば、
顔色一つ変えず、首を振る人も。

なるほど。このおばちゃんのように勇気を持って行動すれば
ベルリンでは、多少の小遣い稼ぎができる訳ですね。

万が一、ベルリンで財布が盗まれて無一文になった時にすら
この行動ができそうにない私です。