日本政府の許可を得て南極海で調査捕鯨を行う日本鯨類研究所(東京都中央区)は、反捕鯨団体、シー・シェパード(SS)の妨害を阻止するため、SSの本部がある米ワシントン州の連邦地裁に9日朝(現地時間8日昼)、妨害の差し止めと船団への接近禁止を求める訴訟を起こしたと発表した。
鹿野道彦農林水産相は同日、閣議後の記者会見で、訴訟について「(裁判で)どういう判断がなされるか農水省として注視していく。差し止め訴訟を起こしたことで(SSは)妨害行動を起こさないでほしい」と述べた。
提訴に踏み切った理由について日鯨研は、「年を追うごとにエスカレートするSSの妨害活動は船団の安全を脅かしており、看過できない」と述べ、同訴訟のほかに仮処分申請も行ったことも明らかにした。早ければ、1カ月以内にも裁判所の判断が下されるという。
日鯨研はSSの暴力について、航海の安全を求めた国際条約、海洋航行不法行為防止条約(SUA条約)などに違反すると主張。藤瀬良弘理事長は「彼らは環境テロリストだと感じている。勝訴するよう全力を注ぐ」と述べた。
SSが裁判所の命令に違反した場合について、担当弁護士は「法廷侮辱罪により、多額の罰金や当事者の拘束もありうる」として、米国の法的拘束力をもたせることがSSの妨害抑止につながるとの認識を示した。
今後、SSに対する損害賠償請求についても検討する。