「アクセンチュア、業務代行拠点を熊本に開設」(2014年10月13日 日経朝刊)記事を見て | ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

大手自動車会社での30年の人事総務経験を経て,2014年にIC・行政書士として独立しました。グローバル化進展の中、業務のアウトソーシング化など荒波にさらされつつある人事総務部ですが、企業活動を支える総務系業務の重要性・専門性など日頃思うところを語ります

独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。

2014年10月13日日経朝刊の”列島ダイジェスト”に小さな記事ですが、「アクセンチュア、業務代行拠点を熊本に開設」という記事が出ていました。

開設されたのは、全国の企業を対象として、総務や人事、経理などのいわゆる間接業務を請け負う「熊本BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)センター」です。

従業員は約100人。

アクセンチュアというとコンサルティング会社のイメージが強いですが、世界的な規模でBPOビジネスを事業の柱の一つとしています。

BPOというと、日本より労務費コストの安い中国大連など大きな受託センターを設けて、その労務費コスト差を活かしてのビジネスを行うというイメージが強いですが、アクセンチュアはあえて今回は国内の熊本にセンターを設置しています。

同日の日経一面には、「ユニクロ通販 即日配送 大和ハウスと新会社」という記事も出ていました。

即日配送は、大規模な物流センター設置により、受注から発送までの日数を短縮することにより実現するものですが、その背後には発送後に確実に顧客まで届けることができる日本の物流ネットワークがあります。

BPOセンターの熊本開設ですが、こうした日本の物流網を活用すれば捺印・契約書管理のようにスキャンデータではなく現物のやり取りが必要である(今まで企業の中核業務と思われた)業務領域までBPOビジネスとして受託が可能になってくるかもしれません。

日本国内の高度な物流網を活かしてあえて海外ではなく日本国内で、全国企業をターゲットにBPOビジネスを行うのも一つの戦略だと思います。

また、昨今就職に関しては極めて地元志向が強いですので、地域の優秀な新卒を積極的に採用することにより、オペレーショナルな業務に留まらず、より企業の核心部分にまで迫る業務領域まで受託することが可能になっていく可能性もあります。

日立をはじめとする企業のグローバル化の進行により、当方の専門領域である人事業務をはじめ日本での間接業務はますます海外に出ていく傾向にあります。

しかしながら、今回の熊本センターのように国内雇用を生み出しつつ、オペレーショナルからよりコアな領域まで国内で受託、その結果として日本企業の競争力強化につながるような取り組みは注目です。

アクセンチュアHPを見るとセンター開設にあたっては、地元熊本県、熊本市との連携を踏まえた上での進出であることが紹介されています。

BPOの新たな動きとして今後とも注視していきたいと思います。