規制緩和で職業紹介/派遣の窓口一本化へ | ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

大手自動車会社での30年の人事総務経験を経て,2014年にIC・行政書士として独立しました。グローバル化進展の中、業務のアウトソーシング化など荒波にさらされつつある人事総務部ですが、企業活動を支える総務系業務の重要性・専門性など日頃思うところを語ります

独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。

本日日経朝刊に「正社員・派遣、幅広く職探し~厚労省方針 規制緩和で窓口統一~」という記事が掲載されていました。

現状では、派遣と紹介を一体で手がけることはできず、人材会社は派遣と紹介事業の相談窓口を分け、別の部署で担当するなど業務が混在しないように注意を払ってきました。

これを今後求職者が一つの窓口で派遣も紹介も行えるようにするという規制緩和策です。

求職側も求人側も、実ははっきりと求める人材像・雇用形態を決めている場合ばかりでなく、まずは案件を見てから考えたいというケースが多いと思います。

この規制緩和が実現すると、求職者側も人材を募集する企業側も一つの人材会社でワンストップで求職活動が完結しますので、狙いのマッチング率の向上につながるものと思います。

当方も以前には、派遣元責任者、職業紹介責任者の講習を受け、この分野に関する仕事をしていたことがありますが、この規制がありましたので、かなり注意して業務の混在をしないようにしていました(同時期に両方の責任者を兼ねていたことはありません)。

派遣事業も紹介事業も事業許可にあたっては、厳しい要件がありますが、このあたりの許可要件(事務所スペースなど)の緩和はどうなるのでしょうか?

正社員、限定正社員、紹介予定派遣、一般派遣など働き方の多様化が進む中で、労働市場の情報を一元化して、求職側・求人側双方のニーズにあったマッチングを図っていくことは、成長産業へのスムーズな人材移動にも貢献することになると思います。

実務的にも、一過性業務的な色合いの強い紹介と長くサポートが継続する色合いの強い派遣では、業務の性格がかなり異なりますので、業務をサポートする体制はあまり変わらないと思われます。

人手不足で雇用を希望する企業が多い時期には、紹介が増え、労務費を固定費化したくない時期には派遣が増えるといった従来の構図は変わらないと思いますが、まずは産業間人材アンバランス状態を解消し、雇用の安定拡大を図ることが第一であり、そのための方策として、この規制緩和はぜひ進めてもらいたいものです。