昨日新聞各紙で自動車各社のベア回答提示のニュースが出ていました。
日産自動車は、ベア3500円、一時金5.6カ月ともに満額回答
トヨタ自動車は ベア2000円台を提示、一時金6.8カ月満額回答で調整中
等々です。
また、本日3月7日日経朝刊には連合公表の賃上げ要求額の集計結果も掲
載されています。
その集計結果を見ると
ベア+定期昇給合わせて月額平均 8,588円(賃上げ率3.07%)
この数字は前年同期の1.4倍、+2,600円になるとのことです。
当方も以前経営者側業種団体で勤務していた時代がありますが、その時代
は、ベア要求など夢のまた夢という感じで、今年の春闘の様変わり感を痛切
に感じます。
自動車産業もリーマンショック前の好業績時に1000円のベアを実現させた
ことがあります。
しかしながら、それ以降会社・労働組合ともに実際の経験としてベア要求をし
たことがない企業がほとんだと思います。
笑い話ではなく、ベア交渉の経験がない事務方はその対応に戸惑っている部
分も正あるのでは?と推察致します。
各社昨今の賃金制度の見直しにより、旧来の資格給テーブルや年齢給テー
ブルのようなシンプルな賃金項目・体系ではなくなってきています。
個人業績や部門業績に連動した賃金体系に変わっている企業も多いかと思
います。
そうした中での賃金ベア反映も工夫がいりそうです。
当方知る限りでは、2013年4月施行の高年齢者雇用安定法への対応は、
従来の再雇用制度をそのまま65歳まで延長して対応しているケースが多
いです。
企業としては、本来であれば、このタイミングで65歳雇用を見据えた生涯
賃金カーブの見直しが必要なところです。
しかしながら、なかなか今回の高齢者雇用安定法のタイミングでその対応
を行った企業は少ないのが実隊だと思います。
業績連動型の賃金体系のもとでの今回のベア対応は、従来のように”広く
あまねく”の単純なテーブル改定では対応しきれない部分があります。
企業としてはこのタイミングを利用し、ベア原資を賃金カーブ見直しに使う企
業もあるのではないでしょうか?
今年の春闘、まだまだ注視が必要ですね。