図書館をはじめるにあたって、
一番頭を抱えたのが、管理・運営についてでした。

納屋を改装するにしてもお金がかかる。
その費用を、さて、どこから捻出しよう。

オープン後に何かしらの利益を出さなければ、
費用の回収ができない。

利益を生む何か。
はたして「図書館」で利益をだせるものかと。

かといって、カフェや雑貨をメインにして、
ここを運営するのか、というと、なんだかちょっと違う。

ずっとこの答えを見つけることができず、
もやもやしました。

よし、発想を変えよう。

現実的に考えて、
今の自分のできる予算内で無理なくどこまでできるのか考えました。

幸い、東京で働いていたときの貯えがある。
あ、そういえば、最初の会社の退職金があった。

私が最初に勤めた会社は、3年の契約満了時に退職金がもらえる制度があって。
これを元手に会社を興す人もいれば、
海外に留学する人や、世界一周に旅に出る人もいました。

在籍時から、「契約満了後、どうするの~?」なんて会話が自然と出るような職場。
私もどうしようかなぁなんて考えていたけれど、
結局これといった使い道もないまま、
すぐに転職し、新しい職場で新しい暮らしをはじめました。

28歳になったとき、
改めて自分のこれからを考えて、いなか暮らしを決めたのは、
使わずにとっておいたものを使おうと、決意したからというのも大きなところ。
仕事はなくてもまずは1年暮らしてみようと思ったものの、
ご縁があってすぐに仕事に就けて、結局はほぼ手つかず。

星空の家をはじめようと思った時も
同じことを考えたけれど、これも結局大きな損失もなく、
みなさまのおかげで軌道に乗りつつあります。

よし、そっか。
じゃあこれで図書館をつくろう。

費用の回収云々よりも、
これは自分への投資と割り切ろうと。


ある人にとっては、海外に留学することかもしれない。
ある人にとっては、世界を旅することかもしれない。

ある人にとっては、新しい車を買うことかもしれないし、
家を買う頭金とか、結婚資金かもしれない。


自分で働いて貯めたお金を、じゃあ、何に使おうと思ったときに、
この図書館のためと思うと、なんだか自然と腑に落ちました。

もちろん、日々の管理・運営には維持費がかかるので、
ちょっとした物販をしたり、
有料会員制度をつくったりは考えています。

投資した分、直接戻ってくることはなくても
回りまわって新しいご縁をつないでくれるならば、それでもいいかなぁ。
お金を生んでくれる別な新しい仕事とか運んでくれるとうれしいなぁなんて思うけど(笑)

ただ、少なくとも、この図書館をつくっている間に、
本当にたくさんの新しいご縁を繋いでくれたけれているので、
これだけれでも、自分が投資した意味はあったのかなと思います。

オープン後も、ますますいろんなご縁と出会えるといいな。






*写真は、片付けをはじめるまえの2階。
とてもじゃないけれど、人がくつろげる空間ではなかった。
あぁ、片付けがんばったな~。