彼女の部屋/藤野千夜
☆☆☆☆★
読んだ直後はそれほどでもないのに、
しばらくしてから気になりだす。
じわじわと後から効いてくる不思議な読後感。
扉の解説がコレ↓
「何気ない日常を淡々と描きながら、気にも留めずに
やり過している"心のざわめき"を繊細に浮かび上がらせる掌編集。」
表題作を含めた6本の短編で構成。
「父の帰宅」を除けば、すべて、誰にでもある日常を描いた作品。
普通なら目に留める事もないような。
で、その中で、ホンの一瞬、心がざわついた瞬間をうまく切り取っている。
その一瞬の切り取り方、なかなか上手い。リアルである。
表題作「彼女の部屋」と、「ハロウィーン」が気に入った。
「彼女の部屋」は、何度か顔を合わせた程度の女友達から、
強引に部屋に誘われた主人公の話。
あーー、いるいる、こんな距離感のオンナ。
"空気読めない"ってことになるのかな。
自分の寂しさを紛らわすためには、相手のことなどお構いなし。
ズカズカと平気で距離を縮めてこようとする。
こっちは恐怖すら感じているのにさ。
んで、そんな奴をバッサリ切り捨てられない自分にも腹が立つ。
すっごい嫌な話なんだけど、そのリアルさに脱帽。
女性なら皆わかると思うんだよー、こういう気持ち。
読んだ直後はそれほどでもないのに、
しばらくしてから気になりだす。
じわじわと後から効いてくる不思議な読後感。
扉の解説がコレ↓
「何気ない日常を淡々と描きながら、気にも留めずに
やり過している"心のざわめき"を繊細に浮かび上がらせる掌編集。」
表題作を含めた6本の短編で構成。
「父の帰宅」を除けば、すべて、誰にでもある日常を描いた作品。
普通なら目に留める事もないような。
で、その中で、ホンの一瞬、心がざわついた瞬間をうまく切り取っている。
その一瞬の切り取り方、なかなか上手い。リアルである。
表題作「彼女の部屋」と、「ハロウィーン」が気に入った。
「彼女の部屋」は、何度か顔を合わせた程度の女友達から、
強引に部屋に誘われた主人公の話。
あーー、いるいる、こんな距離感のオンナ。
"空気読めない"ってことになるのかな。
自分の寂しさを紛らわすためには、相手のことなどお構いなし。
ズカズカと平気で距離を縮めてこようとする。
こっちは恐怖すら感じているのにさ。
んで、そんな奴をバッサリ切り捨てられない自分にも腹が立つ。
すっごい嫌な話なんだけど、そのリアルさに脱帽。
女性なら皆わかると思うんだよー、こういう気持ち。
りかさん/梨木香歩
- 梨木 香歩
- りかさん
りかさん、と聞くと、
某関西お笑いコンビの不気味なネタを思いだすのだが、
当然全く無関係。
実は、前に読んだ「からくりからくさ」はこの「りかさん」の
続編だということを後から知って、あわてて逆に読んだ次第。
結構、これ良かった。
お気に入りに追加決定!
読んだ順番も、こちらがあとで正解。
りかさんを先に読んでたら、からくりからくさはあまり楽しめなかったと思う。
また、文庫版には、表題作「りかさん」に加え、「ミゲルの庭」が
収録されている。これは「からくりからくさ」の続編で、「りかさん」文庫化
にあたっての書き下ろし。この点も、りかさんを後回しになってよかったと
思う理由。
さて、「りかさん」について。
「りかちゃん」人形が欲しかったのに、おばあちゃんがくれたのは
市松人形の「りかさん」という、人とコンタクトできる不思議な人形だった。
そう、私もそうだった。
私が欲しかったのはバービーで、おばあちゃんがくれたのは
立派なフランス人形だったけど。
そのフランス人形はしゃべらなかったので、
私はそのまま人形遊びそのものが嫌いになってしまった。
そして、りかさんを介して、ヨウコは異界を垣間見ることになる。
人形には作り主やら持ち主やらの、様々な思念が投影されており、
それが強いと、あるきっかけで、見える人には見える、ということらしい。
他にも、古いものには気持ちが宿るよう。
このあたり、なんとも日本的。
夜中に笑う、
毛がのびる、
捨てたのにまた同じところに戻ってる、
人形にまつわる話はとかく背筋が寒くなるようなものが多い。
きっと、昔の人も、人が精魂こめてつくった「ひとがた」が怖かったのだろう。
人形そのものでなく、人の情念が。
でも、作中にでてくる人形は全くそんなことはなく。
人の思いをいっとき預かって、大事に持っててくれている優しい存在
として描かれている。
りかさんもなかなかチャーミング。これなら市松人形もわるくない。
大人の女性に抱かれると角がでて一瞬ひやっとするのだが、
それをウサギの耳のように変化させて逃がす、というくだりが好きで、
何度も読んだ。
とてもすぐれた日本版ファンタジー。かなりオススメ。
からくりからくさ/梨木香歩
-
- 梨木 香歩
- からくりからくさ (新潮文庫)
人とコンタクトできる不思議な人形「りかさん」の持ち主、蓉子と、
彼女が管理する下宿の下宿人3人、あわせて4人の女性の物語。
皆、手仕事(染色、染織、鍼灸)にたずさわっている。
あいかわらず、この著者は、古き良き日本を書かせると上手い。
そういうものに対する著者の愛着が行間から伝わってくるような
作品だった。私のように日本的なものが好きな人には向いている。
ただ、人間関係がごちゃごちゃしていて、「これは誰の親戚だっけ?」
ってなるのが残念。
自分で簡単な系図もしくは相関図をつくると良かったかも。
また、作中で能面について触れるくだりが多く、
私は学生時代にちょっと能楽をかじったことがあるので大丈夫だったけど、
そちらの素養が無い人にとってはちょっと難しいかもしれない。
普通一般の人は知らない分野だし。
あと、草木の名前も相当でてくるので、
結構いろいろWEBで調べることになったのも面倒ではあった。
これは、草木についての知識があれば、どーってことない
ことなんだろうけど。
ところで、
よく、無表情な顔のことを「能面のような~」っていうけれど、
能面は、演者が身に付けたときに表情がでるように、
面そのものは、わざわざ無表情につくってある。
だから、ちょっと上むけたら笑ってるようにみえるし、
下をむければ泣いてるように見える。
面それ自身は表情をもたないからこそ、演者によって
命を吹き込まれると、活き活きとした表情を見せるのだ。
だからこそ、作中に出てくる「曲見」はこわい。
生成とか般若のように鬼にはなっていないけど、
ほら、もろに鬼の顔してたら、相手も覚悟するじゃない、防御するじゃない。
でも曲見は無表情。
ただただ無表情なまま、
心身ともの生活の疲れを彷彿させる顔で、じーっと見てる。
お腹の中に、あんなこと、こんなことを、澱のように溜めて。
これぞ女の情念、そういう顔。
もともと面打ちも機織りと同じく、細かい、細かい手作業なので、
反物に思いのたけを織り込むように、面をうったら、
それが名手であればあるほど、怖いことになりそう。
面打師が女性だったなら、なおさら。
