スタメン↓



⚪︎前半

 終始アーセナルペースで前半が進む中、20分にトロサールのクロスからハヴェルツの素晴らしいヘディングゴールが決まり、35分にはサカのサイドライン深い位置からのFKが直接決まり、アーセナルが2点を先行する展開。

 アルテタは今季これまで、過密日程の中でも割とローテーションは行わずにあまりスタメンを入れ替えないので、選手たちの疲労が心配されるところだが、それを感じさせないインテンシティの高いハイプレスを見せ、PSGの攻撃陣にほとんど見せ場を作らせなかった。

 高い位置でプレスをかける際には、連動したオールコートマンツーマンで相手の縦パスをことごとく潰した。マンチェスターシティや今季のコンパニバイエルンが似たようなハイプレス戦術を行うが、スピードとパワー、対人能力の高さを兼ね備えたDF陣(特にCB)を保有しているチームにとっては、かなり有用な戦術であると感じた。

 プレスがハマらなかった場面でも、チーム全体がすぐに帰陣し、コンパクトな4-4-2ブロックを作りスペースを与えなかった。こうした前線の選手たちを含めたチーム全体の高い守備意識、サリバ、G.マガリャンイスの鉄壁CBコンビを中心とした守備の固さこそが、アーセナルの一番の強みであると思う。

 攻撃時には、序盤は左サイドバックのカラフィオーリを中盤に上げてトーマスパティとダブルボランチを形成し、ライスを左ハーフレーンに上げる3-2-5の形でビルドアップを計った。何度かシュートまで繋げる場面もあったが、思いのほか激しくハイプレスをかけてくるPSGに少し苦戦した印象。しかし前半途中からは、2CBの間にトーマスパティが降りてきたり、状況に応じてライス、ハヴェルツ、トロサールが降りてきてカラフィオーリがシャドーの位置まで上がったりと、流動的に前線の選手たちが動きながらボールを受けることで、上手く相手のプレスをかいくぐることに成功した。

 先制点の場面も、一時的に左サイドバックの位置に降りてきたトロサールが、上手くドリブルで運んで相手を剥がしクロスを上げ、ハヴェルツがヘディングゴールを決めたが、その際PSGの守備陣は、2列目から走り込んでくるハヴェルツの動きに全く対応できていなかった。

 PSGは攻撃でもほとんど良い形は作れず、左サイドでバルコラとのワンツーからN.メンデスが放ったミドルシュートと、カウンターで抜け出したハキミの放った角度のない位置からのシュートくらいしか見せ場はなかった。

 ゼロトップのイ・ガンインが降りてきて中盤の3人と共に打開しようとするパターンが多かったが、アーセナルのマンツーマンディフェンスに苦しんだ印象。左サイドのバルコラも相手を背負って受ける場面が多く、持ち味をなかなか出せなかった。3-2-5の形になった際に、右ハーフレーンにハキミが立つ場面が多かったため、ハキミの特徴である前への推進力を出せる場面があまりなく、もったいなく感じた。

 やはりPSGにとっては、今回規律の問題でメンバーから外れたウスマン・デンベレの不在の影響を感じざる得なかった。


⚪︎後半

 アーセナルは、試合前からコンディションに若干の不安を抱えていたティンバーに代えてキヴィオルを投入。キヴィオルが左サイドバックに入り、カラフィオーリは右サイドバックに回った。

 前半よりもアーセナルがプレスの強度を落としたことで、PSGがボールを保持できる時間が増えたが、アーセナルのコンパクトな4-4-2ブロックの前に、なかなか攻め手を見出せない展開が続いた。ボールはある程度動かせるが効果的なサイドチェンジがほとんどなく、両ウイングが良い形で仕掛けれる場面がほとんどなかった。

 後半途中からコロムアニを投入し、シンプルにサイドからクロスを放り込む場面も増えたが、効果的ではなく、ほとんどサリバとマガリャンイスに跳ね返された。

 コーナーキックに飛び込んだN.メンデスのシュートがバーに当たった場面や、イ・ガンインが遠めの位置から放った強烈な無回転シュートなど、単発的にゴールを脅かす場面はあったが、後半も全体的にアーセナルに上手く試合をコントロールされた印象。

 アーセナルは65分過ぎにトーマスパティに代わってレアル・ソシエダから今季新加入のミケル・メリーノを初出場させ、無理に攻めることはせず上手く試合をコントロール。ロスタイムには2006年生まれのルーキー、M.ルイス=スケリーもプロデビューを飾るなど、余裕ある試合運びを見せ、結果的にも内容的にもアーセナルの完勝であった。