東京ドーム テーブルウェアフェスティバル、久しぶりの開催でしたね。
関東圏在住の「器」関係者なら1度や2度は足を運んだ事があるであろうイベントです。
まー回を重ねてますから出品者は毎度代わり映えしないし
ブース位置も一緒だしマンネリ感は否めないのですけど、
それをも含めて「トレンド」であると再認識せざるを得ない「場」でもあります。
▼東名高速ぶっぱして日帰り視察です。
今回の視察では、常滑物の急須を3つ購入しやした。
前回視察時に購入した物を妻様がやらかしたので同じ作者の物を再度購入したりもしてます。
常滑物とはいえ、やはり「個体差」はあるので
そこはしつこくネットリと吟味してたら「お茶屋さんですか?」と声をかけられました。
「いいえ、作る側です」と答えたのですが、この会話の違和感に気が付く人いますか?
「そういうの気にするのお茶屋さんだけです」との答え合わせが出来ますよね。
「お茶屋さん」の前に「作家さんですか?」が先に来ないのに
忸怩たる思いが沸き上がるワシは、加齢臭の結晶体と化した変態の妖精さんでしょうか?
あまり主語を大きく話をしてもあれだけど、ユーザーならまだしも、改めて、
「作る側くらいは、使う事を気にして作った方が良い」と思いました。
作家側が使う事を気にて作ってしまえば
ユーザーは、ポンコツを掴まされたりもせず、何も考えずに
「デザイン・雰囲気の良しあし」だけで購入できるのですからね。
これって大切な事じゃないですか?
▼好みじゃないのだけど、意匠も!工芸美もすげーわ!マジヤヴァイ!リスペクツッ!でも・・・道具としてはどうすかね?(二やり
液体を満たすとダンベルかこれ?と思うほど重たくなる急須
蓋がキチンと閉まらない急須
注ぐ時に手首に関節技を決められたかと思うほど曲げねば注げない急須
注ぐ時に蓋から中身が漏れる急須
洗いにくい急須
上げたらキリが無いほどの体たらくっぷり。
テーブルウェアフェスでも街の陶器屋でも100円ショップでも何たら作家の個展でも
それらの物で満ちています。
車でいえば、
ドアの閉まらない車。
ブレーキが利かない車。
ウインカーが無い車。
そんなド底辺なレベルの類の話です。
作る方も買う方も知らぬばかりなり。
こんな事言うワシでも、嗜好品に関しては「経済性や効率」は求めません。
ですからこんな車に乗ったりもしてます。
でも! こんな愛らしいオンボロでも、ドアも締まるしブレーキも効きます。
▼ワシの愛車その1 フィアット500F
この陶磁器業界の現状に気が付いてから
弊社では、100均物~メーカー品~作家物~巨匠物まで、
適時急須を買い増してます。
▼弊社の肥やしとなる急須さん達です。
生産性を優先する者。
デザインを優先する者。
そもそも考えてない者。
師匠や産地からの受け売りの物しか作らない者。
自身のビジュアルやポジションに比重を置く者。
そういう自覚とともに急須を作る者、無しに作る者、様々だとは思いますが。
これらの者がそれなりのポジションを得て
この業界で息をしています。
少なくとも弊社としては、
「道具としての価値とデザイン性の追求を怠らない」
この姿勢を浮き彫りにする為に、
これらの作業(他者のオリジナリティに興味を持つ)は必要に思う。
という事です。
個人でこれら、(1個数万もするものを買い集めて行く)を成すのは至難の業ですよね。
組織だから出来る事かもしれません。
(そんなの百も承知だから組織体として生きて行く事を選択してますし、組織言ってもワシが目指したいのは攻殻機動隊ぽいのです)
▼それぞれの技術技能を持ちよりロックバンドの様に曲を奏でる組織が理想の50のおっさんはキモイですか
これは弊社スタッフ研修でも述べた事ですが
よく言われている話な上に、ワシの個人的見解としても、
「急須こそ作者の技量や思想が反映され作者のレベル・思想が垣間見える」
は信を得て使ってます。
そこまで考えて「急須を作らない戦術」を採るほど、
ワシの目指す戦略的勝利は、小粒ではありやせん。
「道具」としての価値を再確認できる代物を作った上で選り好みできる。
これすなわち、生産人口の減り続ける日本の産業界、陶磁器業界が、
生産性を上げ続ける諸外国を相手に生き残る
為の「最適解」だと考えてます。
そして、弊社スタッフに、2つの指令を発しました。
▼集めれば集めるほどに、使えば使うほどに「常滑物」が抜けた存在だと理解できます。
「まずは、これら急須でお茶を飲みまくってくれさい」
と
「手段は問わないので、常滑レベルを凌駕する急須を、陶芸初めて1年目の者でも作る方法」を考え出しまひょか
です。
無茶ぶりなしゃちょやな~思いますか?
いえいえ、答え合わせがしたいだけです。
この業界もまだ伸びしろがあるという事ですよ。
そこを突くのが我が使命と心得たりです。
最後に陶磁器業界の未来に関して感じた事で締めくくります。
「巨匠の作品の値段がこれじゃ、若手がそれ以上に上げる訳にも行かないし」
「」デフレにもほどがあるよね~
なぞと、常滑ブースの若手作家さんとのやりとりがありました。
ハイレベルな物ほど「内需でやってゆく限界を抱えている」のだと感じました。
輸出しようぜ!
▼はいこれヒント・陶芸初めて2年目にゲトしたワシの数少ない勲章です
優しい食卓VOL.26 テーブルウェア・フェスティバル2006第14回テーブルウェア大賞
Amazon(アマゾン)
220〜7,595円
別のショップのリンクを追加・編集
年収300万~420万 伊豆高原の陶芸工房 求人中
記事が、( ^ω^)ためになったおと思ったらポチっとな
▼ ▼