評判が高く、以前から見たかった天盛長歌 (邦題:鳳凰の飛翔)。
Nextflixで14話まで見てリタイヤ。
以下、見た範囲限定の個人的な辛口レビュー(ネタばれあり)なのでファンの方や未見の方は、無視してくださいな。
ストーリーは、私の大好きな『琅琊榜』彷彿とさせる設定。
男主の寧弈は、第6皇子だけれど、謀反の疑いをかけられて死んだ兄(第3皇子)に連座して、8年間寺に幽閉されていた。そんな男主が、都に戻ってきたところから話がスタート。
男主は、不遇の中、兄のかたき討ちを狙い、また彼を皇太子にしようとする辛子硯もいる。わざとも含め、体調が思わしくないシーンもある。このあたり、『琅琊榜』の靖王に梅長蘇を足した感じ。女主は、色々秘密を抱える母、弟と、秋家に居候の身。男装して町に出る活発な性格。
舞台設定自体は、わりと好きな方面だったのですが、
14話みて、男主、女主、主役CP、軍師的存在の辛子硯に、一ミリも共感できなかった…泣
〇 脚本に粗が多い。話の流れや細かい設定を突っ込みたくなる。例えば、最初、裁縫師として登場した男主。冒頭以降は、その設定なんだったの?という感じで活かされていなかった。
〇 過去話で、前王朝の生き残り討伐と言う重要で危険な任務に、兄皇子と一緒にわざわざ8歳の皇子を参加させ、追い詰められている敵の重要人物とさしで話させたりする背景の説明がない。
〇ヒロイン叔父は、男主のせいで、自分が前王朝裏切って、兄を死なせたと恨んでいたけど、追われる側の重要組織の一員として、たかが8歳の皇子の約束・保護能力に期待する方がおかしい。
〇 ヒロイン母と弟が拉致された後は、母たちが自分たちだけ秋家(裏切った)に戻って、事情も言わずに娘(ヒロイン:一番守るべき存在)を義絶する展開もよくわからない。
秋家にはすでに裏切られて、いれば迷惑かかるだけなのにすんなり戻るの?「家族は家に戻った」ってあっさり言うけど、自分たちの家じゃないでしょう…と突っ込んでいました。
ヒロイン弟も捨てキャラのようで、家族に迷惑かけるだけで成長もない、内面が掘り下げられることもない人になっていました。
【男主】
男主は、幼少期から賢い人・賢さをあえて隠している人という設定なのですが、言動から賢さが全く感じられませんでした。
〇 男主のオーバー気味な表情の演技、演出の一環なのだと思いますし、役柄として評価する意見も見ましたが、私的には苦手。他の皇子たちといる時に、しょっちゅう眉間にしわを寄せて、目に力を込めた演技、わざとらしく不自然に思えた。愚かな人を演じて敵の目をそらすという建前でもうまいとは思えず、賢い人と言うよりも、低俗な人に見えてしまった。
〇 脚本の問題だと思いますが、男主の内面の魅力の描かれ方が薄い。例えば、梅長蘇は都に戻るなり、過去の林殊の親しい人々に遭遇し、同志・親友ポジションの人が複数いたので、彼らとのやり取りから、視聴者は、林殊がいかに慕われていたか、友人としていかに魅力的だったか、周囲にどれだけ将来を期待されていたかが自然にわかりました。
一方、『天盛長歌』の男主、14話までみたけど、ここまで同性の友達が一人も出てこない。確かに、部下とか、野望のある辛子硯とかはいるけど友達とは言えないし、あとは敵や駒的存在。梅長蘇が、靖王、蒙摯、閣主とかけがえのない友人関係を持っていたのと比べると、人間的な掘り下げが段違い。
〇 辛子硯には明君にするといわれているけれど、男主が、どういう哲学を持って、復讐以外の理由で何のために帝王になろうとしているのか全く見えないし、明君になるイメージも全くわかない(というかこの人が皇帝になって得する人は誰?これまで人民のことを考えて動いている描写がないので、人民第一ではないはず)。この人に皇帝になってほしいと思える魅力や背景が伝わってきたら完走できたんだろうな。
【女主】
ヒロインも賢い設定なのですが、賢さが感じられませんでした。
〇 男装するのはいいけど、初期は特に目的があるわけでもなく町を散策。悪いわけではないけれど、わざわざ男装の必要ある?(例えば、他ドラマでは、男装して仕事をして生活費を稼いだり、武術をみがいたり、スキルアップするヒロインもいますよね)
〇 名妓 (女主2)に、初対面で、義兄弟オファーとかあまりに唐突すぎるし強引。
〇 武装した兵に母と弟が拉致されて、男主宅にかくまわれているときに、情報もなしに抜け出して警戒もなしに外を歩く。閉じ込められるとあの手この手で門番に話しかけたり、出ようとしてじたばたする。危機感持とうよ。
おそらく、活発で明るく、屈託のなく、型にはまらないヒロイン像を作りたかったと思うのですが、肩身のせまい居候でいじわるをしてくる人への対抗以外に、この人が自分の状況や人生についてどういう考えを持ってるかが伝わってきませんでした。また、18年間何してたかの説明(素養の基礎)がないので、突然、地位のある人と見事な応答をしたりしても違和感あり。
【辛子硯】
軍師的ポジションで、裏工作しているのは、梅長蘇に似ているのですが、こちらはひたすら俗人。
コメディ的存在でもあるので仕方ないのでしょうが、諸葛亮とまで言われている存在が、たかが小娘のヒロインにやりこめられたり、言い訳したり、妻に追い回されるとか、小物感が半端ない。
そういう存在なら、それだけに徹すればよかったのでしょうが、なまじこの人が男主を「明君にする」の仕掛け人なので、そもそもこの人の考える「明君」って何? この人に人材を見極める能力や帝王にする能力がそもそもあるの?と疑問を持ち始めると、ドラマのスタート地点が否定されてしまうという。
重複スパイ状態の辛子硯は、一歩間違えれば身の危険もある立場なのに、家族の安全について危機感も対策もない様子。他ドラマで、「天下で大きな志を大成するために、私的な幸せは求めない」的な相当な覚悟を持った登場人物と比べると、かけているチップが小さいかな…。
別に『琅琊榜』を絶対視しているわけではなく、色々な設定オープンなのですが、説得力のある脚本の作品、切望してます。