不動産屋が教える、心の居場所の大事さ

不動産屋が教える、心の居場所の大事さ

不動産のような、物理的な「居場所」でなく、心の居場所のほうがもっと大切であり、そこから不動産と人のつながりがうまれる価値を伝えていきます。

こんにちは、不動産歴24年の山田です。

 

以前に、「4歳の女の子が教えてくれた家との縁」を

話をしましたが、4歳の女の子を不思議な縁その②です。


今回も、「家選び」において大人よりも“本能的に真実を見抜く”存在、
つまり「子ども」について、ある出来事を通してお話ししたいと思います。

 

僕は仕事柄、ご案内の際にお子さん連れの

ご家族と接する機会が多いのですが、
不思議なことに、

人見知りのお子さんが100%の確率で僕の膝に乗ってくることがあります(笑)

 

親御さんは毎回びっくりした顔をされるんですが、
中でも忘れられないご家族とのエピソードがあります。


あるご夫婦と4歳の女の子。
最初は、まったく懐いてくれませんでした。


物件の説明をしても、目を合わせても、反応はゼロ。


何度も案内を重ね、条件に合う物件もご提案していたのですが、
なぜか“決め手”に欠けていて、

ご本人たちもどこか踏み切れない様子でした。


そして迎えた4回目のご案内。
その日は、世田谷のある高台の住宅地をご案内しました。


駅からはやや距離があるけれど、

落ち着いた高級住宅街で、富士山も見える。


立地としては静かで安心感があり、

土地のエネルギーもとても心地よく感じられる場所でした。

 

その案内の当日――
なぜか、それまで全く懐かなかったあの4歳の女の子が、
僕に自然と微笑みかけてくれたんです。

 

手をつなぎ、そして気がつけば膝の上へ。
まるで「この場所なら大丈夫」

と言ってくれているかのような表情でした。


実は、その物件には一点だけ懸念があって、
「内装のカラーや素材が少し好みに合わないかもしれない」

という点がありました。

 

ご家族は一度見送ろうとしたものの、

他の物件を見た後、こうおっしゃいました。

 

「やっぱり、立地は変えられない。カラーは変えられる。

あの物件がいちばん安心できた。」

 


ご成約からしばらく経った今も、

そのご家族とは仲良くさせていただいています。


あの女の子が見せてくれた笑顔と安心感、

そしてその日だけに流れていた“やわらかな空気”。

 

きっとあの子は、

僕ら大人が忘れてしまった

“感覚”を思い出させてくれた存在だったんだと思います。

 

家は、ただの箱ではありません。


「住む人」と「家」、その間にはご縁とエネルギーが流れていると、

僕は信じています。

そしてその日は、まさに「呼ばれた日」でした。