<NHK北海道のニュースより引用>>
判断ミスか”医師を書類送検
去年1月に札幌市内の病院で、胃腸炎などと診断された後に容態が悪化して
死亡した当時4歳の女の子が、その後の調べで重い腸閉そくだった事が分かり、
警察は誤った診断が死 亡につながった可能性があるとして、13日、担当した
医師2人を業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
書類送検されたのは、札幌市厚別区内にある小児科医院の57才と50才の
男性医師2人です。
警察の調べによりますと、2人の男性医師は、去年1月、札幌市厚別区の
三上紗英ちゃん(当時4歳)が激しい腹痛などを訴えて2回にわたって診察を
受けた際に、胃腸炎などと 診断し、入院や転院の措置をとらずに帰宅させました。
ところが、紗英ちゃんは帰宅後に容態が悪化し、最後に診察を受けた翌朝に
死亡しました。
その後、警察が死因を調べた結果、紗英ちゃんは、診断された胃腸炎ではなく、
重い腸閉そくと腹膜炎を起こしていたことがわかりました。
また、医師は診察の際に腹部のレントゲン撮影を行っていましたが、警察では、
この写真などから入院などが必要な容態だと判断することは可能であり、
帰宅させたのは誤った判 断であった疑いが強いと見ています。
こうしたことから、警察は2人の医師が診断を誤って適切な治療をしなかったことが
死亡につながった可能性があるとして、13日、業務上過失致死の疑いで
書類送検しました。
NHKの取材に対し、医師のうち1人は「現時点では何も話すことはない」と
話しています。
一方、紗英ちゃんの両親は「初期の段階で適切な治療を受ければ助かる
可能性が高い病気だということなので、非常に悔しい」と話しており、今月中にも
医師や病院を相手取って 、損害賠償を求める民事訴訟を起こしたいとしています。
<引用終わり>
また、後だしジャンケンです。
50歳代の小児科医と言えば、キャリアは20年以上でしょう。
いわゆる、ベテランの小児科医が「大丈夫だろう」と判断したのです。
その判断が、「結果として」予想していなかったものになってしまったからといって
それで書類送検ですか・・・・
かわいい我が子を失ったご両親のつらい気持ちはわかります。
けれども、そのはけ口を医師に向けるのは止めていただきたいのです。
これでは、小児科が「第二の産科」になってしまいます。
安直な言葉になってしまいますが、
医療に100%はありません
それを一般の方にはわかっていただきたい。
マスゴミもいい加減「視聴率第一主義」はやめなければならない。
いつかは、マスゴミに勤めている人にも、医療崩壊の波は
やってくるのですから。
一般の方には、医療がわからない。だから、医者を頼る。
もう、そんな時代ではないはずです。
くだらないマスゴミが垂れ流す「健康番組」で勉強するくらいなら、
まずは
医療に100%はあり得ない
ということを勉強してもらいたい。
医療で行われている検査には、感度・特異度というものがあります。
簡単に言ってしまえば、その検査で病気を診断できる確率のようなものです。
一般の方は、いろいろな検査をすれば、100%診断がつく、と思われるかも
しれませんが、感度・特異度が100%の検査などないのです。
どんなによくても99%の確率、つまり1%は見逃しが出てくるのです。
いくら99%の検査を組み合わせても、99%×99%×99%×・・・と
無限に繰り返しても、決して100%にはなり得ないのです。
そして、医師の判断も100%ではあり得ない。
私のような経験の浅い医師だと、診断確率は60%とかかもしれない。
それが、長年の経験により、その確率はどんどん上がっていく。
それでも、100%にはなり得ない。世界的な名医と言われる医師でも
100%は絶対にないのです。
それだけは、わかっていただきたい。
その見逃しに対して、書類送検などという手段を取っていたのでは
確実に医師はいなくなります。
医師がいなくなってしまえば、99%の確率も保障できなくなってしまいます。
これは、
医師同士が身内をかばっている
とか
自分の診断ミスを棚に上げている
とかではないのです。
医療とは、そういうものなんです。
99%の診断能力を持ったベテラン医師ですら
1%のために書類送検されてしまう。
そんな国では、だれも医療ができません。
ましてや、私のような若い診断能力の低い医師は
恐ろしくて、何もできなくなってしまいます。
書類送検されてもいい
自分のプライベートがなくてもいい
労働時間が、過労死するレベルでもいい
それでも、患者のために頑張りたい
そんな人間が、日本に何万人もいると思いますか??