バーンアウトという言葉がある。一昔前にはやったような記憶があるが、定かではない。
そこで、もう一度この言葉の定義を調べてみた。
バーンアウト:燃え尽き症候群
使命感に燃え、必死で仕事をやってきたが、成果が上がらなかったり、評価され
なかったりと報われず、今までやってきたことに意味を感じず、無力感に襲われたり
欲求不満がたまって起こる。
まさしく今の日本の医療をあらわしていないだろうか。
立ち去り型サボタージュという言葉でも表現されているが、産科・小児科を初め
日本の医療はバーンアウト寸前である。
必死で仕事をしても感謝されない、報酬という正当な評価も受けられない。
病院に来る患者さんは、常に背中に訴訟という名の刃物を隠し持っている。
学生時代にターミナルケアの講義を受けたことがある。
どんなに頑張っても、結果的には患者さんは亡くなってしまう。
医師をはじめ、看護師や介護師など多くの人間がバーンアウトしてしまうそうだ。
表現は難しいが、「頑張り過ぎないように」というのが大事らしい。
しかし、今の日本は「頑張り過ぎない」ことなど認められていない。
頑張っていても「もっと頑張れ」というのが政府の方針であり、国民の希望に
なってしまっている。
平気で24時間365日気軽に病院に行きたい、などと言ってしまうのだ。
きっと医師にはバーンアウトなんて言葉すら認められないのだろう。