ケンカダイヤルの舞台となった、NTTの伝言ダイヤルとは何だったのか?
詳しくはこちら(Wiki) → 伝言ダイヤル
サービスが開始されたのは1986年。現在提供されている災害用伝言ダイヤルとは別のもので、今はもう提供されていないサービス。
もともとは待ち合わせや用件伝達を目的にあらかじめ決めておいた番号を使って、電話で伝言を残して連絡がとりあえるように考案された。
あらかじめ決めておいた6 - 10桁のボックス番号(連絡番号)+4桁の暗証番号を入力すると、伝言の録音・再生・追加録音ができ、ボックス番号や暗証番号を知る者同士でやり取りをすることができた。1伝言の長さは30秒(のちに60秒になった)。
サービスを利用するには、「#+4桁」の専用の短縮番号で電話をかける必要があった。
東京は#8301、埼玉・千葉・横浜などの地域版は#8501
サービス開始以降(おそらく数年のうちに)、簡単な番号(例えばボックス番号が「11111111」、暗証番号が「1111」)や語呂合わせの番号の組み合わせ(8818(パパイヤ)、4649(ヨロシク)、3751(ミナコイ)など。例えばボックス番号が「88188818」、暗証番号が[8818」の場合、「8818」のトリプルと言った。)で、不特定多数の者同士で勝手なメッセージをやり取りするようになった。これを「オープンボックス」と言う。
異性との出会いの手段として使う者、共通の趣味等を持つ者同士でサークルを作る者・・・不特定の相手に向けて勝手なメッセージを発していく掲示板やチャットルームのように。
やはり一番多かったのは、いわゆる出会い系のもの。当時は、NTTが援助交際など青少年の非行につながる不適切なサービスを提供しているとの批判もあったと聞く。
さて、ケンカダイヤルの場合。
ボックス番号は37564(ミナゴロシ)、暗証番号8842(ハヤジニ)(初期の頃は7974(ナクナヨ)であった。)、いわゆる「~のトリプル」ではなかった。これには理由がある。
実は、1つのボックスには伝言が10件しか入らない。しかも1度録音された伝言は8時間経過しないと消えない。
これでは、10伝言のやり取りで終わってしまう。そこで取られた対策が「階」というもの。
ボックス番号の「37564」の前に、1、2、3、4と番号を振っていく。
「137564」(1階)からスタート、10伝言埋まったら次に「237564」(2階)、さらに10伝言埋まったら「337564」(3階)…と、延々続いていく。
そして、途中から合流する者への案内用として、インフォメーション「037564」(0階)も設けられていた。ペースが速いときは、100階とか200階とか、平気で上がっていたので、参加者が適宜、現在進んでいる「階」を案内する。例えば、「20時10分の○○(ハンドルネーム)だ!現在20階。今すぐ来い!」と。
そして、こうしたペースでどんどん階を上がって行くとキリがないので、朝6時の時点で、1階に戻るルールになっていた。
伝言ダイヤルは1990年頃が全盛期だった。ブームだった。当時の有名人・著名人も参加していたり、マスコミにも取り上げられていた(ただし決して好意的なものではなかったように思う)。
その中でもケンカダイヤルは、参加者の多さや内容の意外性もあって、TV、新聞、雑誌に数多く取り上げられ、当時のメンバーのインタビューもあちこちで目に(耳に)した。
しかしその後、伝言ダイヤルは、オープンボックスが業者の音声広告等で埋め尽くされるようになったことや、様々な出会い系サービスの登場とともに優位性が急速に低下したことも重なり、1990年代前半に急速に人気が沈静化する。
特に有名なサークルとして名を馳せたケンカダイヤルも例外ではなく、時代とともに勢いを失っていくことになり、NTTが伝言ダイヤルサービスを終了する前に終焉を迎えることとなった。