おはようございます。リクオリティです。
トップ画像でも一部使っておりますニールバレットのレザージャケット。
ありがたく完売しましたが、ご購入されましたお客様から
「高級ブランドなのに裏地がついてない事が残念だった」
と言うむねのご連絡を頂きました。
一通りご説明をしてご納得頂きましたが、一つだけ思うことがありました。
純粋に「裏地が付いてない事」への不満であれば良いのですが、
その方のご指摘は「高級ブランドのアウターなのに裏地が付いてない」と言う事。
裏を返せば「裏地が付いている=高級である」と認識されている点です。
スーツを例にしますと、総裏と背抜き。
僕が高級プレタポルテのスーツを販売していた時に、上司から冬用、夏用のジャケット(定価25~30万円程)を並べられて「どちらが定価が高いかわかる?」と聞かれました。
裏地や生地の厚さ等、冬用のジャケットの方は明らかに重厚でしたので「冬用」と答えましたが、
正解は夏用。少しだけですが高い値段が付けられていました。
理由を聞くと納得。
つまり、総裏の場合は裏地で隠れる部分は多少解れていても(解体しない限り)分からないが、
背抜きの場合は細部の処理や合わせ、運針の経緯や巻きまで全て見えてしまう。
プライドを持った職人は終始気が抜けない状態、神経を集中させて仕事をします。
細部の美しい処理は、時計で言う所トゥールビヨンの場合にスケルトン構造にするのと同じく、職人の自分の仕事に対する誇りの表れです。
話をニールバレットのレザージャケットに戻しますが、基本的にエレガントな装いほどディティールをそぎ落とします。
ジャケットはノーベント、シューズはプレーントゥ。
もちろん機能的にはサイドベンツの方が座る時には適していますが、背筋を伸ばした時のエレガントはやはりノーベントが勝ります。
何をお伝えしたいのかと言いますと、このニールバレットのジャケットの場合、
「コストをかけて」裏地を排除してると言う事と、
「高級ブランドだからこそ」裏地が無い場合があると言う事です。
確かに裏地が無いジャケットで冬は寒いです。
ですがそれよりも、裏地が無い事で得られる美しいシルエットを重要だと思える顧客に向けてのクリエイション。
そして何よりもこう言った部分を販売する上でお客様にしっかりと伝えられない所が、僕の力不足です。
精進して参ります。
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