まず、青空文庫と日本ペンクラブ文藝館を閲覧してみて、トップページでだいぶ印象が違った。青空文庫はシンプルで、初めて閲覧した際にもページの訪問者に対して「青空文庫早わかり」の案内があるなど親切な印象だった。一方、日本ペンクラブ文藝館はデザインが「文芸」という感じでしっかりとなされていて、字体が柔らかかったり、検索エンジンがはっきりと主張されていてまさに「ホームページ」としての威厳があるように感じた。

 つぎに検索エンジンとしての使い勝手についてだが、初めてでも瞬時に検索できるのは日本ペンクラブ文藝館であった。やはり検索エンジンが明確であるし、作家名と作品名、さらにはジャンル、初出年、会員種別、出身地、言語と詳細に検索できて目的のものがあればすぐにたどり着ける印象であった。一方で青空文庫は丁寧ではあるのだが、「青空文庫早わかり」の案内が多岐に渡っていて、検索する速さの点では日本ペンクラブ文藝館のほうが評価できるものであった。しかし、じっくり検索するというときには青空文庫早わかりのページにねべば、自分の用途に合わせて作家別や作品別など、どれから検索するべきなのか丁寧に解説してある。日本ペンクラブ文藝館にも利用者の手引きとして載せてあるのだがトップページの一番下にリンクがあるため見つけにくいし、おおまかな見出しとしての説明しかないためやはり親切さという点では青空文庫は評価できる。さらに青空文庫はGoogleを経由して検索するためネットサーフィンの要領で普段の検索と同じように使えて、多くの作品と触れ合う機会があるように感じた。

 つぎにホームページとしての活動に関してだが、日本ペンクラブ文藝館は新着状況がすぐにわかるようになっていたり、コラムが載っていたりなど現在も更新され続けているのだなという新しさが一目瞭然でわかるつくりになっていて活動がしっかりとされているのだなという印象がもてる。一方で青空文庫だがつくりがシンプルすぎてこれがわかりにくかった。新着情報やコラムのようなものはあるのだが実際の文章の見出しがなく、とっつきにくい印象であった。しかし、ブログや青空文庫への寄付、青空文庫への支援や活用法についての情報を募ったりなど活動は多岐に渡り、活動の優位性はこちらにあるように感じた。また著作権に対する配慮の柱脚や青空文庫の方針も示されていて、ホームページとしての存在価値を読み取れるのもこちらであった。

  最後に全体的なホームページの機能として、トップページの印象では圧倒的に日本ペンクラブ文藝館のほうが安心感のあるつくりのように見えたのだが、中身を探ってみると青空文庫には丁寧さとしての親切さがあって、具体的な活動に参加できる呼びかけもなされていて親しみやすさもあった。ホームページとしての定義や用途などはひとそれぞれであるし、おそらく文芸に親しみのあるひとで検索エンジンとしての特徴を優先するひとであれば日本ペンクラブ文芸館のほうがあっているとは思うのだが、文芸初心者としての私としては青空文庫のほうがこの先使っていきたいと感じた。