超久しぶりの更新です。
長いこと放置していてすみません…。
果たして気づいてくれるというか人の目に触れるのかも疑問ですが、まぁ備忘録として…。
2018年10月19日(金)公開の村上春樹さん原作(『東京奇譚集』に所収)の映画『ハナレイ・ベイ』(https://hanaleibay-movie.jp/)を観に行ってきました。
映画はとてもよかったのですが、原作とかなり違うところも多かったので、
原作と映画の違いについて感想を書いてみたいと思います(長くなりそうなので何回かに分ける予定)。
これから観る予定の人は下記はご覧にならないことをおすすめします。
映画を観て思ったのは
①音楽が良い
②映像(特に海)が綺麗
③村上虹郎くんが素敵
④後半は小説とはけっこう違うかな
というところでしょうか。
佐野玲於くんも存在感があって良いのですが、すでに死んでいるという役なので登場シーンは少ないです…。
ファンの人には佐野くんが出てくる最初のシーンは見逃さないで欲しいですね。
①音楽について
いろいろな音楽が出てくるのですが、特にイギー・ポップの「パッセンジャー」という曲が非常に印象的に使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=hLhN__oEHaw&index=1&list=RDhLhN__oEHaw
映画の最初の方で、タカシの登場とともにこの曲が流れるのですが、ここはとても印象に残るシーンです。
やっぱり"passenger"ということばは村上春樹さんの作品の中でキーワードになるのではないでしょうか。
村上春樹さんの他の小説の主人公に出てくる魅力的な登場人物は、みんな主人公を通り過ぎていくだけなんですよね。『羊をめぐる冒険』の「僕」とか(『ダンス・ダンス・ダンス』ユミヨシさんに救われますが)。
たとえ、どんなに大事な人でも主人公にとっては"passenger"なんですよね。死んじゃったり、どうしても一緒にはいられなかったり。
サチにとって最愛の息子タカシでさえも"passenger"だったのか、と思うと号泣…(ノД`)
歌詞はこんな感じ。
I am a passenger
And I ride and I ride
I ride through the city's backside
I see the stars come out of the sky
Yeah, they're bright in a hollow sky
You know it looks so good tonight
I am a passenger
I stay under glass
I look through my window so bright
I see the stars come out tonight
I see the bright and hollow sky
Over the city's ripped-back sky
And every thing looks good tonight
Singin' la-la-la-la-la-la-la-la
La-la-la-la-la-la-la-la
La-la-la-la-la-la-la-la…
歌詞自体はのんきで明るい感じもしますが、聴いてみると、クールで、でも、どことなく、あてどない感じがします。
そんな印象もタカシと重なる気がしました。
このシーンあとに、高校生のサチがピアノを弾いているシーンがくるのですが、このシーンのタカシ(サーフィンしに行く)とサチは同じなんですよね。
まだ若く、先の展望はないけれど、今は好きなことに打ち込んでいる。
そんなオーバーラップも原作を彷彿とさせて巧みだと感じました。
次回は原作にはない、映画オリジナルの「わかってないのはおばさんだから」という村上虹郎くんのセリフについて書きたいと思います。