● 子どもの「聞く」ことのつまずきを乗り越える方法
こんにちは、藤原伸浩です。
男子バレーボールの日本代表、残念でしたね。
昨夜、テレビ中継に夢中で、「お風呂だよ~」の声に気づかないわが子たち。
大人の私たちも、聞き逃すことってありますよね?
ところが、聞くことの困難さをもっている子どもたちみんながみんな、何かに夢中なわけではありません。
聞くことがスムーズにできるには、こんな聞く力が必要です。
⚪︎言葉の音を正確に聞く力
⚪︎話を理解できる言葉の量を記憶する力
⚪︎最初から最後まで聞き続ける力
⚪︎同じ発音で意味の違う言葉や似た音の言葉を間違えず聞き取る力
これらを同時に、かつ瞬時に使っているのが、聞くということです。
聞き返すことや聞き間違え、途中までしか聞かないなど、様々な聞くことの問題は、学習の理解を妨げてしまいます。
日常生活でも、ささいなミスをくり返して、自信をなくしてしまうことにもなりかねません。
では、今回は、聞くことの力を高めて、問題を解決するのに簡単な方法を紹介します。
【数字の聞き取り書き】
準備するものは、紙1枚とえんぴつ1本、そして赤えんぴつ。
親御さんは、0から9の数字をランダムに10個書いたものを5列分準備しておいてください。
紙はできれば、マス目のあるものを準備してくださいね。
なければ、縦に10マスのマス目をいくつか書いてあげておいてください。
お子さまと向かい合って、静かな環境でやります。
「これからたくさんの数字をゆっくり言います。聞き落とさないように、順番に縦に、全部書いてね」
と言って、準備した数字10個をランダムに書いておいたものを1列ずつ読み上げます。
ゆっくり、はっきりと言ってあげてください。
お子さまは親御さんの声を聞きながら、紙のマス目に数字を1つずつ書いていきます。
簡単な作業です。
目標は、最後まで書き続けること。
目的は、集中して正確に聞き取る力をつけることです。
数字を言うスピードは、はじめは2秒に1つくらいを目安にします。
1列目が終わったら、続けて2列目。
お子さまの様子を見ながら、次は少しだけスピードを上げて3列目、4列目というように、続けます。
驚くほど集中して聞き取る姿が見られると思います。
簡単だから、失敗を怖れずできるのです。
一呼吸おいて、5列目までやります。
5列目をお子さまが書き終わったらすぐに、赤えんぴつを用意させ、答え合わせをします。
親御さんが1列目から再度、数字を読み上げます。
お子さまは聞きながら、赤えんぴつで丸つけをしていきます。
こうして、書く時に集中して聞く。
丸つけをしながら集中して聞く、というように、何度も聞くことに集中できるのです。
これまで勉強で失敗してきた経験があっても、数字を聞き取り書きするだけなので、抵抗なく集中して聞くことに取り組めます。
くれぐれも、お子さまの様子をよく見て、緊張できるスピードを心がけてみてください。
聞くことに集中するお子さまの真剣な表情に出会えると思います。
聞くことが上手になってきたら、桁の数字を増やしたり、スピードをほんの少し上げてみたりして、集中のレベルアップを図っていくとよいです。
聞くことのつまずきは、聞けなかったことで生じる失敗体験によって自信をなくしていることが大きく影響しています。
ほんの少しずつ、集中する力を高め、「聞けた!」「うまくいった!」という成功体験を積み重ねていくことで、自信を取り戻すことができます。
自信を取り戻していけば、聞くことのレベルアップを図っていくことが可能になります。
まずは1週間やってみることをオススメします。
5分もあればできるトレーニングですので、毎日の宿題の前など、時間を決めてやってみてください。
すぐに効果が現れるのを親子で実感できるでしょう。
子どもたちの問題行動の背景にある、「見る」「聞く」のつまずきを乗り越える方法について紹介してきました。
ここからは、例えば「塾に行ってるけど成績が上がらない」や「通信教育を受けているけど勉強の意欲が高まらない」などの問題について考えていきたいと思います。
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございます。
不登校卒業カウンセラー 藤原伸浩