本日は、頂き物のご紹介を。
ブログ『*aoichi*』のりかさんから、素敵なお話を頂きました~!(*≧∀≦*)
実は私、10月に誕生日を迎えたのですが、その誕生日プレゼントとしてお話を頂いていたのです!←紹介が遅すぎorz
内容は、私もりかさんも大好きな、ローカルなあの番組を題材にした蓮キョです!←頂いたときに、出だしを藤村氏の声で変換したAHOですww
ちゃんときゅんきゅんな蓮キョのお話になるのが、凄い!
流石りかさんマジックです(*≧∀≦*)
こんなに遅いupになりまして、りかさん大変申し訳ございませんー!!
そしてこれからも構ってやってください!←
ブログを読んでくださった方、感想はりかさん宛によろしくお願いしますね!→『*aoichi*』
では、どうぞー(*´ω`*)
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『絵葉書から愛をこめて』
偶然が折り重なって豊かに過ごせる休日は、なによりも贅沢な過ごし方だろう。
住まいを一緒にしてからも多忙を極めるお互いに配慮して、なかなか思うように一緒に過ごせない二人。
今回はそんな二人の休日が重なった夜の話。
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移り変わりゆく人々。
喧騒と紙一重になる賑わいに生活感の希薄な建造物。
夏の疲れをそのままに過ごすには、都心という場所は少しだけ生活しにくい。
ただそれを口に出してもしょうがない、ということを幼いころから仕事に携わっていた二人は骨の髄から知っていた。
しかし、人間というのは歳を重ねるうちに諦めも早くなるが、その分利己的な狡猾さが育っていくものだ。
物は言いよう、使いよう。
気を張るところは、気を張って。
気を抜くに然るべき時には、きちんと抜かねば。
それのバランス感覚を育てることこそが、大人になると言う事ではないだろうか。
そんなことを懇々と言い募りながら、蓮は最後にね?と小首を傾げた。
キョーコが話半分で聞き流していようがいまいが関係のなさそうなその輝く笑顔は、酷く胡散臭いのだということに気が付いたほうが良い。
「なにが、ね?なんですか?」
「うん、だから遊びに行こう」
「・・・・・明日で良いですか?」
「いや、今から」
深夜に程近い時間にようやっと帰ってきたと思ったら、そんなことを言い出す恋人に少しため息をつきながら、キョーコは彼自身が書いた明日のスケジュールを教えてやる。
昼過ぎから雑誌の取材、そこからドラマのクランクイン。
特にクランクインは外せない大事な日なのだ。
至極もっともらしいことを言っていたとしても、だ。
いわゆる『敦賀蓮』という俳優を尊敬している身としては、いくら自分自身が明日休みでも、これから出掛けることへの賛同は致しかねる。
「クランクインが明後日に伸びたんだ」
曰く、脚本家とヒロインの事務所で揉め事が起きたそうで、延期になったらしい。
超絶なスケジュールをこなす『敦賀蓮』を待たせるほどの価値がそこにあるのかは、双方にしか知りえない。
しかし、経済効果として損失があったことだけは当事者でないキョーコでも窺い知れた。
「・・・・・社さんが喜んでその穴を埋めそうですけど」
「ちょっと無理を言って、雑誌の取材は今日してきた」
噛み合うようで、噛み合わない会話。
そんな状態でも意味を違わずに受け取れるようになったのは、幾重にも二人で重ねた時間が成せる業だろう。
聡いキョーコは、無理強いを受けた色素の薄い美麗なマネージャーを哀れみながら、深夜見ようと決めていた海外ドラマを早々に諦めた。
どんなにあーだこーだと言い募っても、少年のように双眸を輝かせる蓮にかなうわけもないのだから。
「どこ行くんですか?」
「内緒」
「・・・・・」
「車で4時間くらい?」
「旅ですよ、それ・・・・・」
車で4時間で、となると関東を出ることだけは間違いない。
今から行っても明け方になるだろう。
夜通し走らせてそのまま帰ってくるというのには、少々勿体無い距離ではなかろうか。
そんな思考を読み取ってか、社長所有のマンションがあるからそこで仮眠だね、と言う蓮はキョーコに行き先を告げる気はないらしい。
「行き先は、教えてくれないんですか?」
「そっちの方がわくわくしない?」
「しません」
「んー。じゃぁ、高速の看板から推測してみて?」
キョーコはにこにこと手際よく明日の準備をし始める蓮に歯向かう気が一気に削がれていくのを感じた。
ここで押し問答しても到着時間が遅れるだけだ。
海外ドラマのようにすっぱりと諦めたわけではないけれど、キョーコはノロノロを準備を進めていった。
行き先を教えてくれず、更には目的地の概要すら明かしてくれない状態に、周到な彼女はアクティブだった場合のパンツスタイルのカジュアルな洋服と、少し落ち着いた綺麗めのワンピースを用意した。
(これでどっちに転んでも大丈夫!!文句ないでしょう!!)
きっかり30分。
日付が明日に変わるそんな頃に、二人分の少し大きな荷物を車に載せて、蓮の愛車は首都高を駆け抜けていく。
キョーコが行き先を知ったのは山梨を抜け、根負けだと騒ぎ出したその時。
苦笑しながら渡された見慣れた絵葉書からだった。
信州の山奥で、見事に咲き誇るコスモス。
それが見事なアングルで写されているそれは最近ではあまり活用されなくなった絵葉書。
キョーコがある番組の収録でもらったその絵葉書は、彼女の琴線に触れ、少し前から二人がお互いのスケジュールを書くクリップボードに貼られた。
なんの気なしに目に入る季節を感じさせるその風景に、時折荒む心が癒されたのはキョーコだけでなかったようだ。
その風景を自分の目で彼女と見たいと思った蓮の願望に目を細め、明日晴れると良いですね、と呟くキョーコの心の色は柔らかなものだろう。
二人の想いはようやく一つとなって、明日への期待に大きく膨らんだ。
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りかさん、本当にありがとうございました(*≧∀≦*)
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