ブログ「降っても晴れてもスキ日和」のしずかさんから頂きました、アメンバー250名突破記念のお話です(*´∇`*)
『付き合いたてのぎくしゃくした蓮キョにプライベートで温泉旅行に行って もらいたい』という私のリクを叶えてくださいました♪
では、~湯煙☆まじっく【後編】~どうぞ!
*******************
ただ…不安だった。
性急過ぎて、彼女の心を壊して仕舞わないか。
君が好きだ。好きだ!!愛しているんだ!!この想いだけは、止められないんだ…
「…おんさん…」
触れたい気持ちに蓋をすれば、何処から飛び出すか分からない!だから…
「久遠さん!!」
ハッと眼を開く。
視界には天井と、泣き出しそうなキョーコがいた。
「キョーコ…?」
どうしたんだ?と聞きたかったが、掠れて声が出にくい。
「久遠さん…よかったぁ…よかったよぉぉ…うぅ…ひっく…」
ぽろぽろと瞳から涙が溢れ頬を滑り落ちる。
「なっ!?キョーコどうして!?泣いてるんだ!?」
俺は驚いて飛び起きた。あれ?布団の上?浴衣だし…そうだ、俺達は温泉にいたはずなのに…?
「起き上がって大丈夫ですか?久遠さんは温泉で倒れちゃったんですよ?まだ安静にしてて下さい!」
………えっ??
今、なんて?
「私がお背中流しますって言ったら久遠さんが『湯あたりしたみたいだ』って、『手を貸してくれ』って立ち上がろうとしたんです。そしたら急にふらりと…。宿の方に部屋まで運んで頂いて…って久遠さん!!どうしたんですか!頭抱えてうずくまったりして!!やっぱりまだ具合悪いんでしょう!?まだ横になってて下さい!!」
俺は呆然としたままやすやすと布団に押し戻された。
…はは…嘘だろう?キョーコとのあんなに熱いあーんなコトや、甘いこーんなコトが、全部、夢!?だったって言うのか…!?だって、この手にこの口に、彼女の感触が残っている気がするのに……
俺を受け入れてくれた苦しいほど愛しいキョーコの表情を思い出して横の彼女を見ると、また泣き出しそうにじっと見つめてくる。
「覚えてない、よね?」
「……何をですか?」
とぼけている…ようには到底見えない。第一そんな理由がない。恥ずかしがっているというなら分かるがそんな様子は一切ない…確かにイロイロ無茶だった気もする…俺、そのままだったし…
はあぁぁぁぁーーー…
ため息しか出ない。泣きたくなってきた…あんなに鮮明な夢を見るなんて、俺も相当キテるな……湯煙から飛び出した手品にまんまと一杯食わされた気分だ…
絶望的な気分になっていると
「久遠さん…私のせい、ですよね…」
彼女の思い詰めた声。
「え?」
なんの事だ?
「お疲れの久遠さんを…私の我が儘で一人にするなんて…一緒なら疲れも吹き飛ぶって言ってくれてたのにぃっ…!!まさか倒れちゃうなんてっ…久遠さんゴメンなさいぃぃぃ!!」
ベチッ!!
物凄い勢いで土下座をしようとする彼女のおでこを手の平で受け止める。
きゅう…と途端に縮こまる。どこまでも可愛らしいキョーコ。
「悪いと思うなら、土下座じゃなく君が何かしてくれた方がいいな」
「久遠さん…私に何かして欲しい事、ありますか……?」
真摯な瞳。でもその中に潤んだ感情が見えるのは俺の欲目?
「今度は…断らないから、だから、久遠さんの望み、なんでも言って?だって…私、久遠さんの事、その、大好きですから…」
照れて俯き落とす肩が、伏せてしまう睫毛が可愛らしい。要するに全てが、愛しい。
「君にして欲しい事なら、ひとつ、ある」
キョーコの喉がコクリと鳴る。
「君の…」
さっきの夢のような体験は…本当に幻だったのだろうか?
…こうして彼女の方から俺に想いを伝えてくれる。焦る必要はないんだ…
あの立ち込める湯煙の中で見せられた魔術は、俺にそう教えようとしてくれたのかも知れない…
そう、思う事にしよう。
そして俺は、君に答えを返す。
今度こそ、本当に受け入れてくれるよね?
*******************
しずかさん♪
素敵なお話、本当にありがとうございました(*≧∀≦*)
『付き合いたてのぎくしゃくした蓮キョにプライベートで温泉旅行に行って もらいたい』という私のリクを叶えてくださいました♪
では、~湯煙☆まじっく【後編】~どうぞ!
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ただ…不安だった。
性急過ぎて、彼女の心を壊して仕舞わないか。
君が好きだ。好きだ!!愛しているんだ!!この想いだけは、止められないんだ…
「…おんさん…」
触れたい気持ちに蓋をすれば、何処から飛び出すか分からない!だから…
「久遠さん!!」
ハッと眼を開く。
視界には天井と、泣き出しそうなキョーコがいた。
「キョーコ…?」
どうしたんだ?と聞きたかったが、掠れて声が出にくい。
「久遠さん…よかったぁ…よかったよぉぉ…うぅ…ひっく…」
ぽろぽろと瞳から涙が溢れ頬を滑り落ちる。
「なっ!?キョーコどうして!?泣いてるんだ!?」
俺は驚いて飛び起きた。あれ?布団の上?浴衣だし…そうだ、俺達は温泉にいたはずなのに…?
「起き上がって大丈夫ですか?久遠さんは温泉で倒れちゃったんですよ?まだ安静にしてて下さい!」
………えっ??
今、なんて?
「私がお背中流しますって言ったら久遠さんが『湯あたりしたみたいだ』って、『手を貸してくれ』って立ち上がろうとしたんです。そしたら急にふらりと…。宿の方に部屋まで運んで頂いて…って久遠さん!!どうしたんですか!頭抱えてうずくまったりして!!やっぱりまだ具合悪いんでしょう!?まだ横になってて下さい!!」
俺は呆然としたままやすやすと布団に押し戻された。
…はは…嘘だろう?キョーコとのあんなに熱いあーんなコトや、甘いこーんなコトが、全部、夢!?だったって言うのか…!?だって、この手にこの口に、彼女の感触が残っている気がするのに……
俺を受け入れてくれた苦しいほど愛しいキョーコの表情を思い出して横の彼女を見ると、また泣き出しそうにじっと見つめてくる。
「覚えてない、よね?」
「……何をですか?」
とぼけている…ようには到底見えない。第一そんな理由がない。恥ずかしがっているというなら分かるがそんな様子は一切ない…確かにイロイロ無茶だった気もする…俺、そのままだったし…
はあぁぁぁぁーーー…
ため息しか出ない。泣きたくなってきた…あんなに鮮明な夢を見るなんて、俺も相当キテるな……湯煙から飛び出した手品にまんまと一杯食わされた気分だ…
絶望的な気分になっていると
「久遠さん…私のせい、ですよね…」
彼女の思い詰めた声。
「え?」
なんの事だ?
「お疲れの久遠さんを…私の我が儘で一人にするなんて…一緒なら疲れも吹き飛ぶって言ってくれてたのにぃっ…!!まさか倒れちゃうなんてっ…久遠さんゴメンなさいぃぃぃ!!」
ベチッ!!
物凄い勢いで土下座をしようとする彼女のおでこを手の平で受け止める。
きゅう…と途端に縮こまる。どこまでも可愛らしいキョーコ。
「悪いと思うなら、土下座じゃなく君が何かしてくれた方がいいな」
「久遠さん…私に何かして欲しい事、ありますか……?」
真摯な瞳。でもその中に潤んだ感情が見えるのは俺の欲目?
「今度は…断らないから、だから、久遠さんの望み、なんでも言って?だって…私、久遠さんの事、その、大好きですから…」
照れて俯き落とす肩が、伏せてしまう睫毛が可愛らしい。要するに全てが、愛しい。
「君にして欲しい事なら、ひとつ、ある」
キョーコの喉がコクリと鳴る。
「君の…」
さっきの夢のような体験は…本当に幻だったのだろうか?
…こうして彼女の方から俺に想いを伝えてくれる。焦る必要はないんだ…
あの立ち込める湯煙の中で見せられた魔術は、俺にそう教えようとしてくれたのかも知れない…
そう、思う事にしよう。
そして俺は、君に答えを返す。
今度こそ、本当に受け入れてくれるよね?
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しずかさん♪
素敵なお話、本当にありがとうございました(*≧∀≦*)