朝、カーテンの隙間から光が差し込んでいた。
まだ眠い目を閉じたまま、
その明るさだけを感じていた。
そのとき、いつもの声がした。
「起きなきゃ」
「今日もやること多いな」
ああ、来た。
朝イチで指示出してくる“監督”
ユング的にはこれ、かなり重要な存在。
(ちょっと厳しめの現場監督みたいなやつ)
でも今日は、少しだけ違った。
まぶたの裏に、やわらかい光が広がる。
それがじわっと、
頭の奥にまで染み込んでくる。
すると、監督の声が少し遠くなる。
その瞬間、ふと浮かんだ。
「別に急がなくてもいいかも」
その一言だけが、なぜか心に残った。
外に出ると、
新緑の匂いが風に乗ってきた。
葉っぱが光を通して、
やわらかく揺れている。
その光を見ていたら、
ふと思う。
今までずっと、
“ちゃんとやること”ばかり考えていた気がする。
でも、もしかすると――
“感じること”の方が先なのかもしれない。
奈央は少しだけ空を見上げて、言う。
「光って、急がないんだよね」
その言葉に、なぜか力が抜ける。
何かを変えようとしなくても、
何かを頑張らなくても、
ただ光を感じているだけで、
内側が静かに整っていく。
そのとき、気づいた。
頭の中の“監督”が、
椅子に座っているだけになっている。
指示は出さない。
ただ、そこにいるだけ。
ああ、これでいいのかもしれない。
光は、何も言わない。
でも確かに、何かを変えていく。
今日のあなたは、
何を“しよう”としているだろうか。
何を“感じよう”としているだろうか。


















