入院していました。
Kに暴力を振るわれた日が近づくとどうしても落ち着かなくなり参ってしまい入院になってしまう。
ただ前回と違う初めての病院。
個室で鍵付きトイレ付き。
テレビも時計もない部屋。一日目は怖くて部屋から出ることは出来ず二日目は看護師さんに勧められてホールに出てテレビを見ていた。
すると一つ挟んだ席の男の子に肩を「トントン」とされ私の似顔絵と自分の自己紹介をくれた。それはとても嬉しかったがどう反応していいか分からずおどおどしてしまう。彼は16歳。まだ幼い子供だ。
その日から彼の束縛が始まるのだ。いつも隣にいていつも二人でフロアを歩き監視カメラの目を盗み手を繋ぐ。髪を撫でる。いくら年下でも男は男。私はフラッシュバックと恐怖が出てきた。看護師さんに言っても相手にされない。そんな若い男の子が微笑ましい。その程度。私の気持ちなんて考えてくれなかった。そして昨日の夜話があると喫煙所に呼ばれて、ここはベランダのようなところで「しゃがんで」と言われキスされた。ビックリしたし、身体が固まった。そこへ男性看護師が来て「何してんの!ここにも監視カメラあるんだよ!少し距離取りなさい。この事は言わないから」と言って去っていった。私は今までのことが爆発して女性なら気持ちを分かってくれるかもと女性の看護師さんに話したら鼻で笑われ「なにがそんなに嫌なの?」と言われた。悔しくて悲しくて私は暴れた。自傷行為をした。ホールまで走って「帰る」と騒いだ。
みんな患者さんは宥めてくれた。「余計帰れなくなっちゃうよ」「落ち着いて」温かい言葉で胸が苦しかった。私は「お家に帰りたい!お家に帰してーーー」とドアをドンドンと叩いた。
あの男の子はきっと凄くいい子なんだと思う。ただ人との距離が掴めないだけ。それだけに傷つけたくなかったし、怒られたくなかった。でもそれが私にとって無理をしていたのだと思う。
夜先生から家族に「拘束していいですか?」と連絡が行ったが家族は「帰りたいと言うのなら今すぐ迎えに行きます」と言って迎えに来てくれた。その時はすでに私のおでこは血だらけ手はあざだらけ。それでも旦那は「辛かったね。苦しかったね。閉じ込められなくないよね。みんな待ってるから帰ろう」と暖かく迎えてくれた。