小樽の寿司屋、おたる政寿司の三代目の中村圭助です。
連休明けでお客さんは少なかったのですが、宴会やイベントで大忙しの一日でした‼︎
商品を出すよりも人を出したほうが関係者を作りやすい
マーケティングの師匠である藤村先生に学んで一番衝撃が大きかったのが人を出すということです。これまでの僕は、人なんかは一切出さない、強調することといえば商品のスペックばかりでした。
「天然のマグロ」「朝とれた生のボタンエビ」「ミョウバンの使ってないウニ」
「天然のマグロ」「朝とれた生のボタンエビ」「ミョウバンの使ってないウニ」
などなど
僕はこれが売りだと思っていたし、こだわりだと思っていました。
でもね、ちょっと周りを見てみればどこにでもそういうことが書いてあるんです。
僕はこれが売りだと思っていたし、こだわりだと思っていました。
でもね、ちょっと周りを見てみればどこにでもそういうことが書いてあるんです。
人を出した方がお客様との関係性を作りやすい
事例の1つとしてこんなことがありました。今はやめてしまったのですが、以前アメリカから修行にきた若者がいました。名前は小林といいます。
彼は名前は日本人なのですが、アメリカで生まれて育ってきたため日本語を話すことができません。寿司屋になりたいと言って修行に来て、一生懸命がんばりました。当店では月に1回、若手がお寿司を握る日があります。
初めて彼が若手の日にデビューした時、お客様からクレームをもらったんです。
「板前を交代してほしい!隣の板前さんの前で食べたいです。」
僕としてはわかっていたんです。技術的には巻物を巻けたり寿司を握ることができたのですが、いかんせん初めてということもあって、不安そうな雰囲気が出ていました。しかも、日本語も話すことができないのでお客様とコミニケーションも取れない。
僕はこの時思ったのです。やっぱりカウンターは無理だから調理場のほうに下がってもらおう!!でも、エクスマで勉強してたから、もしかしたらとすぐに思い直しました!!
そこでやってみたのがこれ
「板前を交代してほしい!隣の板前さんの前で食べたいです。」
僕としてはわかっていたんです。技術的には巻物を巻けたり寿司を握ることができたのですが、いかんせん初めてということもあって、不安そうな雰囲気が出ていました。しかも、日本語も話すことができないのでお客様とコミニケーションも取れない。
僕はこの時思ったのです。やっぱりカウンターは無理だから調理場のほうに下がってもらおう!!でも、エクスマで勉強してたから、もしかしたらとすぐに思い直しました!!
そこでやってみたのがこれ
翌月の若手の日に小林の前にこんなポップを貼ってみました。
「寿司修行のために小樽に来てます。カリフォルニア育ちなので日本語あまり話すことができません。先輩たちに寿司の握り方や切り付けのレッスンを受け毎日夜遅くまで練習しています。練習の成果を皆さんにお披露目したいのでどんどん奥に注文してください!!心を込めてお寿司を握らせていただきます。」
「寿司修行のために小樽に来てます。カリフォルニア育ちなので日本語あまり話すことができません。先輩たちに寿司の握り方や切り付けのレッスンを受け毎日夜遅くまで練習しています。練習の成果を皆さんにお披露目したいのでどんどん奥に注文してください!!心を込めてお寿司を握らせていただきます。」
そしたらね!
とんでもないことが起こったんです!!お客さんが小林と楽しそうに話している。そしてすごく満足して帰っていく。普段の日まで彼を指名して予約も入る。
あっ!ちなみに彼は一か月間で一流の職人に成長したわけではありませんよ(笑)
そう、スペックはほとんど1ヶ月前と変わってないんです。変わったといえば、たった1枚のポップがついただけです。
さらにさらに
新聞にまで乗ってしまったのです!たまたま新聞の記者が彼の前でお寿司を食べてこのポップを読んでぜひ記事にしたいとの事でした‼︎
僕が彼の弱みだと思っていた、日本語がしゃべれないこと、新人であること、これが彼の独自性として取り上げられたのだと思います。
たった1枚のポップが、彼の修行人生を変えたんだと思います。価値やこだわりは伝えたほうがいい。
それよりも大事な事は人を出すということなんです。
それよりも大事な事は人を出すということなんです。