私は物凄く疑り深いし、人間不信の気がかなり強く、殆ど人を信用しない。

 

 

こういった性格を、何度も何度も

「お前は素直じゃない」「もっと素直になれ」

言われ続けてきて

 

その都度、(口応えするとややこしいので)

表面上は聞き流すものの

心の中では「嘘ばっかり吐く癖に。

絶対に信用するもんか」と思ってきた。

 

 

この根強い不信感により人間関係を拗らせてきた事は結構多く

人生にとってもプラスにはなりそうもない側面なのだけど

実はこの不信があった事により、凄く良かった事が一つ有る。

 

 

自分の歌声を磨き上げる事が出来た、という事だ。

 

 

私は歌が凄く好きで、実際、今でも本気で声優を目指し

自己鍛錬を積むくらいには

歌に物凄くこだわっている。

 

 

私は地声がかなりのアニメ声で、ハイトーンなのだが

歌いたい曲はUVERworldやONEOCROCKなど

ロック系、しかも男性ボーカリストの曲が多い。

それを、キー変更せず歌いたがる。

 

 

ボーカロイドなどの曲に詳しい人はご存知だろうが

いわゆる『両声類』という方向を目指していた。

声優でいうと、緒方恵美さんなどが解りやすい例じゃないかと思う。

女性ながら、男性らしい声も出せるという人だ。

 

 

男性ボーカルの曲を男声に近い声で歌いたがる。

当然、そこにはかなりの負荷と無理が存在する。

けれど私は、どうしてもどうしても

カッコ良い男性らしい声に憧れたのだ。

 

 

一人でカラオケに通い詰め

猛烈に低音で歌う練習をした。

 

 

思うような成果が出ず、喉が潰れ、声が掠れるまで練習し続けた。

 

 

もしも、誰かに師事した場合

持ちえる武器を活かすように指導されるだろう。

私でもそうする。

ハイトーンのアニメ声は、かなりの個性だ。

それを捨ててまで、低音に拘り、歌う必要性は皆無だ。

むしろ、ちゃんと歌う事を最短で目指すなら

出せもしない低音に拘る事は、無意味でしかない。

 

 

だけど私は、どうしてもどうしてもどうしても

男性のようにカッコ良く歌える自分になりたかったのだ。

女子達が騒いでいるAKBだとかモーニング娘だとかには

全然興味が湧かなかったのだ。

 

 

私の到達点を理解してくれるボイストレーナーは

世の中にはいないと思った。

私の考えに共感してくれるボイストレーナーも

世の中にいないと思った。

 

 

だから、自分独りで試行錯誤をひたすら繰り返した。

多い時で週に2日、少ない時でも月に1日

カラオケに通う日々が続き

約2年を掛けて思うような声が出せるようになった。

 

 

もしも、人間不信ではなかったら

セミナージプシーのようにどこかにいるはずの

理想の指導者を求めて

時間を食いつぶしていただろう。

 

 

もしも、人間不信ではなかったら

独りで2年もの間、着地点の見えないゴールに向かって

走っていく事は出来なかっただろう。

 

 

もしも、人間不信ではなかったら

自分の持って生まれた声を捨て、別の音域で歌いたいとは

恐らく言い出せず、違和感を持った侭、歌に取り組んだだろう。

そうしたら、歌う事そのものが苦痛になっていたかもしれない。

 

 

自分で自分の武器を創り、磨き上げる事が出来た。

今や、女友達とカラオケに行くと

「透さんイケメンボイスなんですね!」と騒がれ

キャーキャー黄色い声が上がる(自慢です(笑))

 

 

不信を貫き通したから、オリジナルが出来た。

 

 

そのうちに、今この画面を見ているあなたにも

私の歌を聴いてもらえる機会を持てたらな、と思う。

 

 

頑張って練習しよう(笑)