クリック証券が韓国のコスダックに上場申請しました。

最近、日本のベンチャー企業の間ではこの例に代表されるように海外市場でのIPOへの関心が高まっているのだそうです。東京で開催された外国の取引所による上場セミナーも盛況だったようです。

どうやら日本の新興市場がパッとしないことがこうしたにわか海外上場ブームの一因のようです。

しかし自社の株式をどこの市場に上場するかという問題は将来の会社の発展の大きな妨げになる可能性もある問題であり、軽はずみな気持ちで決めるべきことではありません。

【理由があるか?】
先ず、日本の企業なのに、日本以外で上場するというのならば、それなりのちゃんとした理由がなくてはだめです。そのちゃんとした理由とは以下の3点です:
1. 自分の会社の売上高ないしは営業コストの大半が上場を目指す海外市場のローカル通貨で発生すること
2. 自分の会社が獲得しようとする見込み顧客の大半が上場を目指す国にいること
3. 自分の会社のやっていることを投資家全般にわかってもらおうと思うと、同業者が既に沢山上場している海外市場へ行かざるを得ない場合

上の3つの理由のうち、少なくともひとつが当てはまらなければ、海外で上場すべきではありません。

なぜそうかを説明します。

先ず1.売上高ないしは営業コストの大半が上場を目指す海外市場のローカル通貨で発生することという条件は、会社の資産と負債(オブリゲーション)をマッチさせるという見地から大事なことです。

例えば社員のお給料の大半は円で日本国内で支払わないといけないのに、香港ドルでIPOによる調達資本が入金したら、それをある時点で円転しなければいけません。(そんなの香港ドルを売って、円を買えばいいだけじゃないか?)と思うかもしれません。でもどのタイミングで幾ら換金するのかなどその都度わずらわしい問題が生じます。

下手なタイミングで為替差損を発生させたりしたら株主の中から批判も出ると思います。

若し、営業費用の大部分は香港ドルで発生するとか、製品を売った代金の大半が香港ドルで入金するなど、日常のビジネスを遂行する上で、その通貨とどうしても「お付き合い」しなければいけない事情がある場合は海外の機関投資家は「海外上場しなければいけないだけのちゃんとした理由がある」と受け止めます。

次に2.ですが、若し自分の会社の進出したい消費市場が海外であり、そこでブランドネームや評判を築く必要がある場合には株式上場を宣伝のひとつの道具として使うというケースはあります。現地で上場しているほうが商談の時やリクルートの時に有利だからです。

最後の3.のケースは例えばバイオテクノロジーなどのように自分の国では未だ上場企業数が僅かで、しかもそれらの企業が持っている技術などに市場がちゃんとした評価を付与していない場合で、海外に上場した方がライバル企業も沢山上場されており、投資家が比較しやすいというケースです。こういう風に競合他社との相対比較をすることをComps(あて馬企業群)といいます。たとえば日本で上場する場合はPERで20倍しか見込めない場合でもナスダックに上場すればPERで40倍まで行ける(そんな例は最近ではありえないと思いますが)というようなシナリオでは敢えて海外上場することが正当化できうると思うのです。

その場合でも、海外市場で比較の対象とされるあて馬企業と常に研究開発や営業の現場で激しく競争しており、お互いに切磋琢磨するような間柄であれば違和感はありませんが、わりあい閉じた市場で、直接ビジネス上でぶつかり合わないのであれば投資家は上場動機に対して懐疑的な目を向けるでしょう。






【心の準備があるか?】 に続きます。
君にポッキーを食べる権利をやろう!


  ━━━一


おやすみなさい。
いや、知ってる人数があまりいないのが問題かな・・


とりあえず今日はかなりうまい女性ピアニストの動画をひとつ。


ピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2 『月光』 第1楽章 Adagio sostenuto



ピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2 『月光』 第3楽章 Presto agitato


この人は軽ーく難局を引くのでいつもびびります