2026年(平成8年)4月3日(金) 花の下連歌会を開催しました。

 

今年も空は晴れ、春の優しい暖かさの中、平野図書館連歌会の人達が集まりました。

場所は、平野区にある杭全神社の瑞鳳殿です。

午前十時に集まり、まずは中庭に出て桜の鑑賞です。

ところが、長年咲き誇っていた桜の木が虫喰いのため、全く花が咲いていませんでした。

非常に残念なことです。

それでも、お世話になったその御神木に対し、一同が二礼二拍一礼をしました。

さらにその前で集合写真を撮影しました。

丁度、向かいの桜の木には綺麗な花が咲いていたので、そこでも何度も記念写真を撮りました。

 

部屋に戻り、いよいよ花の下連歌の開始です。

世吉連歌のうち、事前に初折裏の終わりの方まで一巡を回して詠んでいます。

連歌会は二座に分かれていて、同じようにスタートしました。

和やかな雰囲気で、連歌会は進んでいきます。

途中で、昼食を摂りますが、夕方までに挙句まで仕上げないといけないので、少し焦りながら進めることになりました。

それでも、和気あいあいとした雰囲気で、時には盛り上がって笑い声が聞こえます。

そうして、楽しい連歌会は、やがて名残裏の最後の花の句を経て、挙句で満尾となりました。

 

連歌が満尾となると、拝殿に移り、連歌の懐紙を奉納します。

花の下連歌は奉納連歌なのです。

皆が揃って拝殿の中に入り、禰宜さんに奉納の義を行っていただきます。

そこで、宗匠が連歌をすべて読みあげて奉納しました。

 

 

花の下連歌の奉納が終わり、一同解散となりました。

今年も晴天の中、無事に花の下連歌会を終えることができ、感謝しています。

これも、平野図書館連歌会の皆さんのお陰です。

また、いつも協力をして頂いています杭全神社にも感謝致します。

夕方ぎりぎりの時間に奉納の義をして頂き、ありがとうございました。

来年の四月もまた、花の下連歌会を開催します。

ありがとうございました。

 

*作品は連歌作品ページに掲載いたします。

 

(文・木下貴司)

(写真・連衆の方撮影)

 

 

 

 

 

 

 

連歌 豆知識

               連歌の色々な事項を説明していきます

 

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 時事句(じじく)                令和8年2月

 

 

連歌のジャンルの一つに、時事句というものがあります。

 いわば  「ニュースネタ」 です。

現在起こって話題になっている事を付句の裏にひそませて、

 仲間内で密かにたのしむものです。

 

時事川柳のようなものですが、

 連歌ではこういった茶化しは好まれないので、

 出すとしても何度もというわけにいきません。

 (山田孝雄『連歌概説』では一度きりとあります)

  位置的にも起承転結の転の部分、

  世吉(44句)だと名残表あたり。

   初折表や名残裏では避けます。

 長く続けるのもしつこくなるのでやめておきます。

 

そして大事なことなのですが、

 その句が時事句であることがはっきり表にでないようにします。

  後の時代の人が見たら、

   時事句とわからないようにしつらえるわけです。

 

 

平野図書館連歌会では、今、有志数名で

 含翠堂文庫の連歌を読む勉強会をやっています。

 

その中で最近、おもしろいものに出会いました。

 H8-30「連歌集」 明和2年

  の冊子におさめられている、千句連歌のうちの

  第四「蛍」の百韻の三の折のあたりです。

 

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三折

 5   出るともあらぬは蜑(あま)の小家にて  由章  雑  人倫・居所

 6   田面の早苗取や果けん       宗俊  夏  植物

 7   治まれる国の姿やしらるらん    尚喜  

 8   運ふ貢の数は多しも        宗之  

 9   馬車つつけ続ける都路に      宗名  雑  動物

 10    物見の庭は嘸(さぞ)な賑はふ    宗政  雑  居所

 11 声々に謡ふは月の席(むしろ)にて  立永  秋  光物・時分  

 12 長き夜あかす作る詩(からうた)    常元  秋  時分

 13 暖めて酌やか(噛)みつる酒ならん  宗俊    

 14 旅の首途(かどで)を祝ひこそすれ   宗永  雑  旅 

 

三折裏

 1  ゆゆしきは給ふ受領の粧にて    用成    

 2  古されし身を悔る明暮       惟明  雑  人倫・述懐

 3  偽(いつはり)をしらて頼むははかなしな 宗俊  雑  恋

 4  尽ぬ恨の浅からんやは       由章  雑  恋

 5  送りぬる文の傳(つて)たに絶果て   利器  雑  恋

 

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参考のため、季節と句材を記しました。

 夏から雑、述懐、恋へ、いちおう よくある展開です。

時事句っぽいものはありますが、

 古い時代の出来事ととれば、さほど気にせず

  普通の流れに見えます。

 (ちょっと同じような展開がしつこく続きすぎかもしれませんが・・・)

 

 

でも、三折裏6で「早苗」の語が出てたのを見て、つい・・

 2月におこなわれた衆議院選挙で

  高市「早苗」首相率いる自民党が圧勝したことを

   思い浮かべてしまいました。

 実はこの時期、どこの連歌会でも夏の季語である「早苗」が

  時事句の材料として登場していたのです。

 

で、上の連歌はもちろん

  高市早苗首相ではないのですが、

 (なかなかはずれない)色眼鏡でのぞいてみると、

   このあたりの展開がすべて

    昨今の時事句に見えてきて

     困ってしまいました。

 

 

          

 

 6 の早苗が票を取り果てて

 7 おさめる国、

 8 そこに貢ぎがたくさん送られる、

 9 車もいっぱい連なって表敬訪問する、

 10 見物人も(携帯を持って)集まって、自民党会館の庭は賑わう。

 11 月が出る、歌も歌われる、

 12 夜になっても詩を作って、

 13 祝杯。

 14 旅はトランプ詣で?

   裏 1 ゆゆしきものは大臣のポスト。

 2 かたやオールド中道は悔いにあけくれ、

 3 勝てるとたのんだのは はかなきこと、

 4 恨みは尽きず深い。

 5 送った文は絶えて・・

 

 ・・・などと目にうつってきて本当に困惑してしまいました。

 

それにしても、あまりにも合いすぎる!

明和の頃にもこんなことがあったのでしょうか?

 

 

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 歳旦三つ物(さいたんみつもの)       令和8年1月

 

 

お正月、連歌の宗匠たちは、「歳旦開(さいたんびらき)」といって

 吉日に席を設け、門人らと歳旦の句会を開きます。

 

歳旦三つ物(さいたんみつもの)とは その折

 三人で発句・脇・第三を交代しながら作る、合計九句の作品のことです。

 

 紹巴が北野天満宮に奉納したものが最初で、

  俳諧でも重要視され、後には宗匠・高弟・知友らが三人で作句を披露する

  お正月恒例の祝賀行事になっていきました。

 

  

   歳旦の句をまとめた 俳諧の歳旦帳 

   右頁、三人が交代で発句・脇・第三を作っています

 

    

    絵を添えて弟子たちに配られた 歳旦の摺り物

 

 

 

   

 

あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

令和8年 最初の図書館連歌例会は、1月16日(金)13時半からです

 (いつもは第一金曜ですが、図書館がお休みの時は第三金曜日になります。

  お間違いないように・・)。

 

お正月なので、歳旦三つ物を作ってみようと予定しています。

皆様、どうぞよろしく。