新型コロナウイルスの影響で用意していた祝辞は書面での配布となり、式典での披露は無くなりました。
記録として残しておきます。
<2019年度卒業式祝辞>
卒業生の皆さん本日はおめでとうございます。保護者の皆様、お子様の卒業、誠におめでとうございます。また、校長先生をはじめ教職員の皆様、子どもたちのためにご尽力いただき本当にありがとうございました。そして、ご来賓の皆様方にはご多忙のところ御列席賜りPTAを代表して厚く御礼申し上げます。
さて、卒業生の皆さん、今、自分の将来に希望あるイメージができていますか?ちなみに私は高校卒業時、今のセンター試験の前身である共通一次試験の出来が悪かったため浪人を覚悟していました。だからと言って将来を悲観してはいませんでした。一浪して志望大学に合格して夢に向かって突き進むぞと前向きに考えていました。そして、きっと皆さんのほとんども前向きに将来を考えていることと思います。
時代は巡ります。かつての共通一次試験がセンター試験に変わったのと同じように皆さんの多くがつい先日、最後のセンター試験を受けたことでしょう。また、元号も昭和が平成に変わったように平成が令和に変わりました。時代がどんなに変わろうとも若者の情熱は変わらないのだと感じています。将来へ前向きな気持ちを持てている多くの皆さんはそのまま突き進んで行ってください。必ず、明るい未来が開けます。
そこで、今日は、何らかの理由で、いや、もしかしたら理由などなく前向きになれない何人かのためにエールを送ります。高校生活があまり楽しくなかった人、今日までよく耐えました。その忍耐力は相当なものです。だから一度我慢することをやめてみてはどうでしょう?もし、次のステージでもつまらなかったりつらかったりしたら我慢せずに逃げてみてください。ゆっくり心を休ませてください。そして、楽しいことうれしいことを探しましょう。好きな本を読んでもいいだろうし、音楽を聴いてもいい、映画を見てもいいでしょう。とにかく好きで楽しいことだけをしてみてください。しばらくそうしていると、自分と好きなことが同じ人たちに出会います。さらに時間が経つとその仲間が増えていきます。すると、その中には好きなことを究めてビジネスにしている人がきっといます。ビジネスになっているということは、誰かの役に立っている証拠です。その人が世の中から必要とされているということです。
私の持論ですが、人は何のために生まれてくるのか、それは誰かの役に立つために生まれてくるのだと思っています。誰かを笑顔にするために生まれてくるのです。自分が泣いていたりつまらない顔をしていたりして誰かを笑顔にできるでしょうか?好きなこと面白いと感じることを思う存分やって、まずは自分が笑ってください。自分の笑顔が誰かを幸せにするなんてありえないと思う人がいるかもしれません。そう思っている人だって必ずある人達を何度も幸せにしています。十分に役に立っています。もう分かりますよね。記憶にないかもしれませんが皆さんのその笑顔で何度も何度も幸せを感じさせられた人がいます。ね、保護者の皆様。
だから、もし今、心の闇が取り除けないのなら、好きなことを見つけるまで思う存分遠回りしてください。そして笑顔になれる好きなことを見つける旅に出てください。まだまだ皆さんは若い。十分時間はあります。大丈夫、きっと好きなことに出会えます。でも、時間は無限ではありません。つまらない気持ちのまま十代、二十代を過ごしてしまうのか、それとも、今すぐ好きなことを見つける旅に出かけるのか?頭のいい〇高生なら答えは分かりますよね。
最後にこの言葉を餞別に贈ります。「今日より若い日はない」。
<2020年度入学式祝辞>
新入生の皆さんご入学おめでとうございます。保護者の皆様におかれましてもお子様の晴れやかな姿に感動されていることと存じます。そして、ご来賓の皆様方にもご列席賜りPTAを代表して厚く御礼申し上げます。
さて、数か月前より世間を震撼させています新型コロナウイルスですがこの日本も大きな被害を受けています。先日の卒業式におきましては卒業生と先生方のみの短縮で行われ私も娘の卒業式を見ることができませんでした。人類は目に見えないウイルスという敵と戦っています。医療技術が進んだ現代においてもこのウイルスに命を奪われてしまう人も少なくありません。このことで暗い気持ちになっている生徒や保護者の方もいらっしゃるかと思います。しかし、人類は歴史上さまざまな病気やウイルスと闘い勝利したからこそ我々はここに存在しています。そして、このウイルスにも勝利をするはずです。だから、生徒諸君のような若者が目を輝かせ勉強やスポーツに心から打ち込める日々が絶対に再開します。
周りの同級生を見てください。学校説明会や入学試験でも感じたでしょうが、真面目でお勉強が出来そうな仲間に見えませんか?こんな見るからに秀才肌の生徒たちでも勉強のことを忘れ若さをはじけさせる瞬間がいくつかあります。学校祭に特にそれを感じますが、部活や日常生活の場面でももちろんあります。いきいきと活動する先輩たちを見てすぐに感じ取ることでしょう。おそらく今の君たちが感じている3年間という長さに比べ卒業するときに感じる3年間は短いはずです。尊い青春の1ページをなんとなく過ごしてしまうのか、しっかり謳歌するのかは自分自身にかかっています。将来の夢のために勉強に青春をかけるのもよし、部活にかけるもよし、恋愛にかけるもいいでしょう。何かに打ち込めるのはとても素敵なことです。それが高校生活においてならなおさらです。好きなことを見つけるための高校生活でもいいでしょう。そこに正解不正解はありません。大事なのは自分で決めることです。義務教育が終了した皆さんに一番成長してもらいたいことは、自分で考え自分で決めて自分で行動することです。失敗していいですよ。高校生活でたくさん挑戦していっぱい失敗した人が一番多くを学びます。だから、挑戦を怖れずいろんなことを行動に移す3年間にしてください。
最後にここで先生方と保護者の皆様にお願いがあります。生徒たちのやる気を決して奪わないでください。「無理だ」という言葉を生徒たちに決して言わないでください。せめて、「難しいぞ」くらいにしておいてください。そして、生徒たちには「どうせ無理」と言わせないでください。「だったらこうしてみたら」と言ってあげてください。この新入生が卒業式には今以上に目を輝かせていることを期待して、お祝いの言葉とかえさせていただきます。