「おはよっ!」
いつものように挨拶をして いつものように教室に入る。
そんな毎日が続くとおもっていた。
私があの人に出会ったのは1年前。
高校生になりたての私はいつものように親友のさやのと教室に入った。
さやのとは中学校からの友だちでいつも一緒にいた。
教室の中に入るといつものようにワイワイガヤガヤとみんなの声が聞こえた。
私の席は一番前の窓側から2番目。
一学期早々ついてない席だった。
私は高校に入ったらキャラを変えようとがんばっていた。
私は中学生のころクールで喧嘩っ早い性格だった。
男子にも恐れられていたが女友達はたくさんいた。
けど私は中学校のころ怖がられてはいたが自分で言うのもなんだけど顔はよかったためモテていた。
そのため 高校でイメチェンして少しぶりっ子になって可愛いキャラをつくると決めた!!!
前髪がなかったから前髪をつくり 絶対に結ばなかった髪はいろんな髪型をしてみた。
私の後ろの席の男の子は女ったらしで背が高い。純。
私の左隣はかわいい系男子。夏輝。
私の右隣は面白系男子。孝樹。
私のななめ左はきもい系男子。麟太。
私の斜め右はやっと女の子でおもしろい系女子。皐月。
入学式に最初に声をかけてきたのは孝樹だった。
私は入学式の休み時間 絵が好きだから絵を描いていた。
友だちがいない子に見えたかもしれないけれどあんま気にしない。
「これドーナツ??」
「え?」
「これドーナツでしょ?」
「あっうん」
「うまいね」
「あはは」
「名前は?」
「うち?」
「うん」
「千里。柏木千里。」
「俺は佐野孝樹。」
初めて声をかけてくれたからすこしドキッとした。
それから隣だった孝樹とは仲が良くなった。
私が目をつけたのが後ろのたらし、純。
たらしだからすぐ声をかけてきたから落そうと決めた。
まず携帯番号を交換し 毎日のようにメールをしあった。
そしたらすぐ私のことが好きといううわさが流れた。
1人コンプ!
次に目をつけたのがかわいい系、夏輝。
が夏輝は純より先に私が好きとメールで告白された。
というわけで2人目コンプ!
ななめ左はもうキモくて落としたくもないので無視。
あと一人は面白系・・・あんがい落ちなかった。
というか 落とせたと思いたくなかった。
それには理由があった。
私は6歳のころに両親が離婚し恋愛を信じられなかった。
今までたくさんの人といろんなことをしてきたけど付き合いは絶対しなかった。
いわゆる「遊び人」ってやつ?
私は孝樹に恋をした。
告白されてもOKできない。
孝樹を傷つけてしまう。
けど この方法が一番だった・・・。
「お前が好きだ!!」
予想どうり孝樹が告白してきた。
けど絶対にOKはできない。
「ごめん・・・なさ・・・」
泣いてしまった。
心で思ってることとはうらはらに涙が勝手に出てしまった。
前を向くと 孝樹がいなくなっていた。
孝樹は風のように走って教室のドアをおもいっきり開けた。
「田中!!!!!」
田中とはさやののこと。
「どうしたの?そんなに急いで」
「なんで・・・かし・・・わ・・・ぎは・・・・・」
走ってきたから息が荒くてさやのは聞き取れなかった。
「何?聴こえない」
「なんで・・・柏木は男とつきあわないんだ?」
「何で知ってるの?」
「柏木と同じ中学の人に聞いた」
「ここじゃあれだから・・・」
第一話 「恋なんかしたくない!」つづく