「さ、出来たわよ!」
「わ、私もです!」
「…一様…な。」
三人は夕食対決をしていた。というのも、誰が作るかって話になって、もめるならそれぞれ作って評価し合おうという事になったのだ。…女の意地は怖いや。
「あたしは無難に焼魚よ。近くの川で取って来たわ。」
そこには明美の用意した三匹の焼魚があった。綺麗に焼けていて、とても美味しそうだ。
「…私は、家に伝わる兵糧丸です。…お口に合うかどうか…。あ、あと、デザートにお団子と羊羹、お茶も入れました。」
春の用意したものは全て手の込んだものだった。特に羊羹は難しいはずだが、とてもうまくできていた。
「すっご…羊羹って…春ちゃんって料理上手いのね!」
「いえ…明美さんのも美味しそうです…」
「…確かに美味いな…」
傍に座っていた綾乃もつぶやく。
「そういや、綾さんの料理は?」
「…」
見ると、真っ二つになった果物が三つあった。
「…すまない、料理したこと無いんだ…」
「…なら、教えてあげるわよ!ね、春ちゃん?」
「は、はい!やりましょう!」
こうして奇妙な料理教室が始まったのであった。
「あー!!ちょっと綾乃さん、刀閉まって!!」
…どうなるかは、また次のお話で…